60歳代。多くの人が現役を引退して、新たなライフステージに突入することでしょう。
しかし、近年は、働くシニアも増加し続けているようです。
内閣府「令和4年版高齢社会白書」によると、2021年時点の年齢階級別就業率は、60歳~64歳で71.5%、65歳~69歳で50.3%でした。
60歳代の半数以上の人が働いていることが分かりました。
年金を受け取りながら短時間で働く人、繰下げ受給を選択してフルタイムで働く人、パターンはさまざまですが、60歳代になっても「働く」ことを選ぶ人が多いということが分かります。
今回は、そんな60歳代の貯蓄額と年金額から懐事情を覗いていきたいと思います。
1. 60歳代「貯蓄ゼロ」の世帯は何パーセント?中央値も確認
老後生活を支える柱の一つとなる貯蓄。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上上世帯調査](令和4年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄を確認しましょう。
1.1 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄平均と中央値】
平均:1819万円・中央値:700万円
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:6.1%
- 100~200万円未満:5.5%
- 200~300万円未満:3.3%
- 300~400万円未満:3.2%
- 400~500万円未満:3.4%
- 500~700万円未満:5.3%
- 700~1000万円未満:6.1%
- 1000~1500万円未満:8.6%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:8.8%
- 3000万円以上:20.3%
- 無回答:2.9%
60歳代・二人以上世帯の「貯蓄ゼロ」の世帯数は20.8%。
データを小さい順に並べた時にちょうど真ん中にくる数値となる中央値は、700万円です。
平均値より実態に近い数値と考える中央値で700万円ですが、円グラフを見ると貯蓄額が大きい人と小さい人で二極化していることが見てとれます。
ただし、”60歳代”ですので、これから退職金を受けとって貯蓄額が一気に増える世帯もあるでしょう。