親の老後を考え始めるようになったら「家族信託」の検討も
本記事では、親の老後の実態調査をもとに、「親の介護にまつわるお金事情」について解説していきました。
株式会社ファミトラの調査から、大多数の人が「親が介護を必要になった場合は親の資産をあてにしている」ことがわかりました。
しかしその一方で、約7割の人が「認知症になると親名義の不動産の売却ができなくなる可能性があることを知らない」という実態があります。
親の介護が必要になった際の準備が、まだできていない人が多いとうかがえます。
親の老後を考え始める年代になったら「家族信託の活用」も視野に検討すると良いでしょう。
家族信託とは、当事者が「家族」や「信頼できる第三者」との間で結ぶ、自分の資産の管理を委託する契約のことを指します。
おわりに
健康なうちに家族信託をしておくことで、認知症などによって判断能力が低下したあとでも、自宅を売却したり、親の資産で介護施設入居費用にあてることが可能となります。
親の介護において双方の負担なく行うためには、「事前の話し合い」が重要になってくるため、家族信託も含め今後の方針を前もって相談しておけると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況 1主な年齢の平均余命」
- 厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要」
- e-Gov法令検索「民法」
- 第一生命経済研究所「認知症患者の金融資産200兆円の未来」
- 株式会社ファミトラ「【敬老の日 調査】8割の人が「親の介護施設入居には親の資産をあてにしている」にもかかわらず、7割の人が「認知症になると親名義の不動産の売却ができなくなる可能性があることを知らない」実態があきらかに」
太田 彩子