約7割が「認知症になると不動産の売却ができなくなる可能性がある」ことを知らない
前章では、親が認知症になった際のお金のリスクについて解説しましたが、果たしてどのくらいの人が「資産凍結」について知っているのでしょうか。
株式会社ファミトラは「親の老後のお金調査」を実施し、2023年9月8日に公表しました。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査方式:インターネット調査
- 調査対象:N:406(40歳代〜60歳代の親がご存命の方)<40歳代30.8%・50歳代36.2%・60歳代33%>
- 調査期間:2023年8月25日〜2023年8月27日
上記調査の結果、約7割の人が「認知症になると親名義の不動産の売却ができなくなる可能性があることを知らない」と回答しています(円グラフ参照)。
さらに同調査では、約8割の人が「親の介護施設入居には親の資産をあてにしている」と回答しています。
親が認知症を発症し判断能力がないとみなされると「親名義の不動産が売却できなくなる可能性がある」ため、家族は介護に必要な費用を親の資産以外の手段で負担しなければならなくなります。
さらに、親が施設へ入所後も自宅を売却することができないため、空き家のまま維持しなければならないという新たな問題点も発生します。
上記から、親の老後を考え始める年代になったら、来たる時のために家族で今後について話し合うことが大切になるでしょう。