9月は「世界アルツハイマー月間」です。

日本における認知症高齢者の数は、2025年には約700万人を超え、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると予想されています。

9月は「世界アルツハイマー月間」

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認知症は、今まで以上にありふれた病気となり、誰もが介護の問題と無関係ではいられない時代となるでしょう。

そこで今回は、認知症高齢者を介護する家族が感じた「在宅介護の限界点」について解説していきます。

合わせて、介護施設への入所を検討した際に役立つ費用を抑えた施設選びのポイントも紹介します。

【認知症】在宅介護の限界点とは

認知症の家族を介護している方のなかには「できるだけ住み慣れた自宅で過ごさせてあげたい」と思う方もいるでしょう。しかし、認知症は進行性の病気のため、病状が進めばいずれ施設入所を検討しなければなりません。

とくに、BPSDと呼ばれる「認知症の行動・心理状況」が現れると、介護者の身体的・精神的負担が大きくなり、ストレスが溜まっていきます。

以下のような症状や状況があるときには、在宅介護の限界を迎えていると考えていいでしょう。

こんな場合は、在宅介護の限界点かも

  • トイレの失敗が増える
  • 便をいじったり、床や壁になすりつける症状がある
  • 暴言・暴力がある
  • 火の不始末がある
  • 頻回に徘徊があり、目が離せない
  • 昼夜逆転して夜中に起きている
  • 昼夜を問わず介護が必要になる
  • 1日のうち、半日以上が介護に費やされる
  • 介護する側のストレスが溜まり、手が出そうになる
  • 家族が体調を崩して介護ができなくなる

親を施設に入所させることに罪悪感を持つ方もいるでしょう。

しかし、施設に入所すると、家族の負担が軽減するだけでなく、介護されるご本人にとっても、介護のプロからケアを受けることで症状が改善するなど、良い影響をもたらすケースも多くみられます。

また、適度な距離を取ることで精神状態が改善すれば、ご本人も家族も穏やかに過ごせるでしょう。このことは、施設入所をためらうご家族の方にぜひ知っていただきたいと思います。