税制上の壁
税制上の壁は、世帯主の配偶者控除が受けられなくなることで、手取り額が減少するケースを指します。
年収の壁とされる基準は「103万円」「150万円」「201万円」です。
- 年収103万円:配偶者控除が受けられない
- 年収150万円:配偶者特別控除が満額で受けられない
- 年収201万円:配偶者特別控除が受けられない
年収103万円を超えると所得税の負担が発生しますが、年収が増えると手取りが増える仕組みなので、所得税による手取りの減少は考える必要はありません。
しかし、世帯主の配偶者控除をはじめとする控除や、家族手当といった福利厚生の部分がなくなると、結果として世帯の手取りが減る場合があります。
また、年収150万円を超えると配偶者特別控除が満額受けられません。同様に、年収201万円を超えると配偶者特別控除が受けられなくなるので、世帯の手取りは減少します。
以上の問題が「税制上の壁」です。
年収の壁を超えた場合に増加する負担とは?
野村総合研究所の調査結果によると、妻の年収が106万円を超えた場合、世帯の手取りが24万円減少しています。
- 夫の年収は500万円
- 二人世帯で他に扶養している家族なし
- 家族手当を月1万7000円支給
最低賃金が上昇した場合、手取り額が減らないように就業時間を調整する可能性が高くなります。
実際に、年収100万円以下に抑えているパートタイマーの女性は39.3%でした。103万円以下に年収を抑えている人は、64.4%となっています。
約3人に2人のパートタイマーが就労時間を調整しているので、保育利用条件を満たせなくなる弊害が生じる可能性もあるでしょう。