9月に入り、暦の上では暑さがおさまる頃となりましたが、まだ日中は暑い日が続いています。エアコンなどの電気代も気になるため、早く暑さが落ち着いてもらいたいものですね。

特に、平均的な年金額よりも少ない金額を受給している方の中には、経済的な不安から年金額のアップを待ち望んでいる方もいることと思います。

実は、一定額以下の年金を受給している方に対して「年金生活者支援給付金制度」が設けられており、年金に上乗せして給付金を受け取ることができます。

そして、2023年度から新規に該当する方に対し、9月1日から順に「簡易な年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されています。

そこでこの記事では、「年金生活者支援給付金制度」により給付金が受給できる方の条件や給付金額などについて解説していきます。

1. 「年金生活者支援給付金」とは

年金生活者支援給付金とは、公的年金などの収入やその他の所得が一定金額以下の方の生活をサポートすることを目的とし、年金に上乗せして支給される給付金のことです。

財源は、2019年10月から8%から10%へと引き上げられた消費税が活用されています。

「年金生活者支援給付金」には受給している年金の種類により3つの種類があります。

国民年金(老齢基礎年金)を受給している方には「老齢年金生活者支援給付金(または「補足的老齢年金生活者支援給付金」)」が支給に、「障害年金(障害基礎年金)」を受給している方には「障害年金生活者支援給付金」が、「遺族年金(遺族基礎年金)」を受給している方には「遺族年金生活者支援給付金」が支給されます。

では次章から、「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」の3つの給付金の受給対象者について詳しく確認していきましょう。

2. 「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の受給対象者

「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」の受給対象者は、それぞれ以下のように決められています。

2.1 老齢年金生活者支援給付金

「老齢年金生活者支援給付金」を受給できるのは、以下の3つの要件すべてに該当する方です。

  1. 65歳以上で国民年金(老齢基礎年金)を受給中
  2. 世帯の全員が市町村民税非課税
  3. 前年の公的年金の収入(障害年金・遺族年金などの非課税収入は除く)とその他の所得の合計額が87万8900円以下

なお、3つ目の所得要件のうち、77万8900円を超え87万8900円以下の場合は、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

2.2 障害年金生活者支援給付金

「障害年金生活者支援給付金」を受給できるのは、以下の2つの要件をすべて満たす方です。

  • 障害基礎年金を受給中
  • 前年の所得(障害年金などの非課税収入を除く)が472万1000円以下(※)
    ※扶養親族などの人数に応じて増額される

2.3 遺族年金生活者支援給付金

「遺族年金生活者支援給付金」の受給対象者は、以下の2つの要件をいずれも満たす方です。

  • 遺族基礎年金を受給中
  • 前年の所得(遺族年金などの非課税収入を除く)が472万1000円以下(※)
    ※扶養親族などの人数に応じて増額される

2.4 条件をすべて満たしても受給できないケース

3つの給付金において、たとえ受給要件をすべて満たしていても、以下の3つのいずれかに該当する場合は給付金を受給できません。

  • 日本国内に住所がない場合
  • 年金が全額支給停止となっている場合
  • 刑事施設などに拘禁されている場合

以上が、年金生活者支援給付金の3つの給付金それぞれの受給対象者です。

なお、すでに年金生活者支援給付金を受給中の方で、2023年度も要件に該当する方は、新たに手続きをとる必要はありません。

3. 年金生活者支援給付金はいくらもらえる?2023年度は2.5%増

年金生活者支援給付金の3つの給付金の受給対象者がわかったところで、次は具体的にいくら受け取れるのかを見ていきましょう。

3.1 令和5年4月分からは2.5%引き上げに

年金生活者支援給付金の基準額は物価変動に応じて毎年改定されており、令和5年4月分からの給付基準額は令和4年度と比較して2.5%引き上げられています。

たとえば、老齢年金生活者支援給付金では、令和4年の基準額は5020円だったのに対し、令和5年度は2.5%増額改定され5140円となっており、120円増額されています。

なお、5140円はあくまでも給付基準額であり、実際は保険料納付済期間や保険料免除期間などによって計算されるため2.5%の引き上げにはならないケースもあります。

令和5年度における「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」のそれぞれの給付金の基準額を以下にまとめました。

3.2 【老齢年金生活者支援給付金】

老齢年金生活者支援給付金は月額5140円を基準額とし、保険料納付済期間・免除期間により計算され、以下の2つの合計額となります。

  1. 保険料納付済期間に基づく金額=5140円×保険料納付済期間÷480月
  2. 保険料免除期間に基づく金額=1万1041円(※)×保険料免除期間÷480月
    ※生年月日や保険料の免除割合により異なる

3.3 【障害年金生活者支援給付金】

障害年金生活者支援給付金は、障害等級によって金額が決められており、1級が6425円、2級が5140円です。

3.4 【遺族年金生活者支援給付金】

遺族年金生活者支援給付金は一律5140円です。

ただし、2人以上の子どもが遺族基礎年金を受給している場合は、子どもの人数で5140円を割った金額がそれぞれの受給金額となります。

4. 「年金生活者支援給付金」まとめ

年金を受給している方のうち、一定の年金額よりも受給額が少ない方などは、受給要件に該当すれば年金生活者支援給付金を受給することができます。

給付金には「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」の3つの種類があり、それぞれに受給できる対象者が決められています。

2023年度から新たに該当する方に向けに、9月1日から順次「年金生活者支援給付金請求書」が送付されていますので、お手元に届いた際にはすみやかに手続きをとりましょう。

なお、不明点などがある場合は、給付金専用ダイヤル(TEL:0570-05-4092または03-5539-2216)や近くの年金事務所に問い合わせましょう。

参考資料

木内 菜穂子