3. 年金生活者支援給付金はいくらもらえる?2023年度は2.5%増

年金生活者支援給付金の3つの給付金の受給対象者がわかったところで、次は具体的にいくら受け取れるのかを見ていきましょう。

3.1 令和5年4月分からは2.5%引き上げに

年金生活者支援給付金の基準額は物価変動に応じて毎年改定されており、令和5年4月分からの給付基準額は令和4年度と比較して2.5%引き上げられています。

たとえば、老齢年金生活者支援給付金では、令和4年の基準額は5020円だったのに対し、令和5年度は2.5%増額改定され5140円となっており、120円増額されています。

なお、5140円はあくまでも給付基準額であり、実際は保険料納付済期間や保険料免除期間などによって計算されるため2.5%の引き上げにはならないケースもあります。

令和5年度における「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」のそれぞれの給付金の基準額を以下にまとめました。

3.2 【老齢年金生活者支援給付金】

老齢年金生活者支援給付金は月額5140円を基準額とし、保険料納付済期間・免除期間により計算され、以下の2つの合計額となります。

  1. 保険料納付済期間に基づく金額=5140円×保険料納付済期間÷480月
  2. 保険料免除期間に基づく金額=1万1041円(※)×保険料免除期間÷480月
    ※生年月日や保険料の免除割合により異なる

3.3 【障害年金生活者支援給付金】

障害年金生活者支援給付金は、障害等級によって金額が決められており、1級が6425円、2級が5140円です。

3.4 【遺族年金生活者支援給付金】

遺族年金生活者支援給付金は一律5140円です。

ただし、2人以上の子どもが遺族基礎年金を受給している場合は、子どもの人数で5140円を割った金額がそれぞれの受給金額となります。

4. 「年金生活者支援給付金」まとめ

年金を受給している方のうち、一定の年金額よりも受給額が少ない方などは、受給要件に該当すれば年金生活者支援給付金を受給することができます。

給付金には「老齢年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」の3つの種類があり、それぞれに受給できる対象者が決められています。

2023年度から新たに該当する方に向けに、9月1日から順次「年金生活者支援給付金請求書」が送付されていますので、お手元に届いた際にはすみやかに手続きをとりましょう。

なお、不明点などがある場合は、給付金専用ダイヤル(TEL:0570-05-4092または03-5539-2216)や近くの年金事務所に問い合わせましょう。

参考資料

木内 菜穂子