近年の新設住宅着工戸数の推移を見ると、注文住宅の着工戸数はやや減少傾向にあるものの、マンションを含む分譲住宅の着工戸数はそれ程大きく変わっていません。

その原因として、注文住宅が以前よりも高額になったことや、家計が厳しくなっていることなどが考えられます。

結果として、比較的安価で入手することができる分譲住宅の購入に流れる人が増加しているといえるでしょう。

2023年8月31日に公表された7月の住宅着工統計によると、住宅着工件数(貸家、社宅、官舎等を含む)は6万8151戸で、分譲住宅が1万6979戸です。

建売住宅は何といっても価格が抑えられることが最大の魅力ですが、設計士があらゆる場面を想定して設計した間取りや、打ち合わせの回数が少なく引き渡しまでの期間が短いことなどがメリットといえます。

しかし一方では、そこに住む人のライフスタイルに合わせて細部まで設計しているわけではないので、実際に住んでから後悔することも少なくありません。

そこでこの記事では、建売住宅を購入した人の体験談を紹介したいと思います。

これから建売住宅を購入しようとしている方の参考になれば幸いです。

建売住宅を購入した体験談。住んでわかった不満点は?

これから紹介するのは、次のような方の体験談にもとづくものです。

  • 【居住地】埼玉県
  • 【購入価格】3100万円

建売住宅の不満1:浴室から隣の家までの距離が近い

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dar44/shutterstock.com

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都内の近郊県に建つ建売住宅は、地価が高いため敷地が狭くなりがちなので、どうしても隣家との距離が近くなってプライバシーが確保しにくくなってしまいます。

隣家からの視線が気になるのであれば、浴室内にブラインドを設置する、隣地境界のブロックに目隠しフェンスを設置するといった対策が必要になります。

建売住宅の不満2:道路に近いので車が通る音が気になる

道路に近い物件のため、夜中に窓を開けていると、 車の通る音が気になってしまうことがあるそうです。

建売住宅の場合でも二重サッシなどで騒音対策されている場合もありますが、窓を開けたい場合には対策する術がありません。

したがって購入する前の内覧の際には、窓を開けた状態で騒音の度合いをしっかりと確認しておくことが大切です。

建売住宅の不満3:同じ分譲地内の売れ残り物件を購入することになってしまった

こちらの夫婦は、売り出しされてから購入するまで3か月くらいかかってしまったので、どうしても同じ分譲地内の売れ残り物件を購入することになってしまったそうです。

売れ残り物件と聞くとどうしてもネガティブなイメージを持つ方が多いと思いますが、なぜ売れ残ってしまったのか原因を確認することが大切です。

物件そのものに明らかなマイナスポイントがある場合もありますが、他の人にとってマイナス面があったとしても自分にとってはそうではないこともあります。

また多少のマイナスポイントであれば、適正な価格で値引き交渉することも可能です。

建売住宅の不満4:ガスコンロが3口あっても使わない

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miya38/shutterstock.com

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物件にはガスコンロが3口ついていましたが、結局は一つしか使わないことが多いそうです。

建売住宅は不特定多数の人をターゲットにして設計するので、近年では3口タイプのガスコンロが主流となっています。

普段から使い慣れていないと3口あっても不要としか感じられないことが多いと思いますが、状況によっては役立つこともあるので、調理時間を短縮するためにも使い方を工夫してみると良いでしょう。

建売住宅の不満5:事前に1年を通しての自然環境を把握しておくべきだった

夫婦が購入した物件の周辺には、夏になると毎年ムクドリが集まってくるそうです。

近年は都市部の街路樹などにムクドリが集まるようになり、糞や鳴き声が問題視されています。

住宅は一度購入するとしばらくの間そこで暮らすことになるので、周辺環境に不満があると快適に過ごすことができません。

建売住宅を購入する前に自然環境の全てを確認することは難しいと思いますが、日当たりや日照時間、暑さ、寒さなど、夏場に購入するのであれば冬場のことを、冬場に購入するのであれば夏場のことを想定しておくことが大切です。

建売住宅を購入した体験談。満点は?

反対に、満足に感じているポイントもお聞きしました。

建売住宅の満足1:安く購入できる

「一つ一つ注文を出す注文住宅よりも建売住宅の方が安く購入できるので、結果として良かったと思う」と夫婦は語ります。

建売住宅は不動産会社や住宅会社などが広範囲の土地を一括で購入した後に、同一の住宅設備や建材などを大量に購入して複数棟を同時に建築するのが一般的なので、現場管理費や設計費なども節約することができるため、安価で入手することが可能になります。

しかし設備や耐震・断熱性能などの住宅性能も分譲する会社によってバラツキが大きいので、良く吟味して慎重に購入判断をすることが大切です。

建売住宅の満足2:家が大き過ぎずに手頃で良かった

「今の建売住宅はコンパクトサイズにまとまっているので、家が大き過ぎずに手頃で良かった」とのことです。

東京近郊の建売住宅のほとんどは延べ床面積が30坪未満で、間取りは3LDK〜4LDKが主流となっています。

地方にあっては少し手狭に感じる広さですが、地価の高い東京近郊では家を大きくすると土地面積も大きくなってしまうので、なかなか買い手がつきません。

したがって利便性の高いエリアであるほど、建物の面積はどうしても小さくなる傾向があります。

建売住宅の満足3:建売住宅でも浴室乾燥機などの便利な機能が付いていたので良かった

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buritora/shutterstock.com

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近年の建売住宅には浴室乾燥機や床暖房、食器洗い乾燥機などの最新の設備が付いていることが多く、購入希望者の購買意欲を高めています。

しかし人によっては必要のない設備が備わっていることもあるので、事前に付帯設備についても良く調べておくことが大切です。

建売住宅の満足4:ガレージに雨よけの屋根が付いていた

購入した物件にはガレージに雨よけの屋根が付いていたので、マイカーを持っている夫婦には好都合だったそうです。

ガレージに屋根があると、雨の日にも濡れずに車に乗り降りできるので便利です。

しかし敷地が狭いと建物の1階部分の日当たりが悪くなってしまうこともあるので、事前に良く確認しておくことが大切です。

建売住宅の満足5:外壁の塗料などが最新のものになっていた

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chaponta/shutterstock.com

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「有名なハウスメーカーが建てた家なので、外壁の塗料などが最新のものになっていて、自分で選ぶよりも安心できました」と語ります。

同じ建売住宅でも分譲する会社によって屋根や外壁の仕様などが異なることが多く、住宅会社のこだわりが反映される部分です。

仕様によっては見た目ばかりでなく入居後のメンテナンスコストにも差が生じてしまうので、購入前には必ず確認しておきたい部分です。

建売住宅を検討するときに配慮すること

建売住宅を購入する際には建物の外観や便利な住宅設備、見栄えの良い内装といった見た目ばかりに気をとられがちで、つい入居後のメンテナンスコストについては疎かにしがちです。

しかしどんな建物でも定期的なメンテナンスが不可欠なので、こうした点にも配慮することが大切です。

参考資料

亀田 融