年末に大掃除をしていたら、一念発起して断捨離していたら「古い通帳が出てきた!」は”あるある”ではないでしょうか。

もし、口座を解約せずに10年以上放置していた場合、その預貯金等は「休眠預金」となり民間公益活動のために活用されます。

2023年6月30日に預金保険機構が公表した「令和4年度中の休眠預金等移管金の納付の状況等について」によると、前年度、休眠預金に移管されてきた金額は1528億1655万9106円、休眠預金等の数は706万9589件でした。

これだけの預貯金が休眠預金になっています。

ただし、銀行に連絡をして所定の手続きをふめば、休眠預金になった後でもお金を引き出すことが可能です。

この時、休眠預金になったお金には利息は付くのでしょうか。

今後、他の口座を休眠預金にしないように定期的に通帳記帳をしておけばOKなのか。確認していきましょう。

10年間異動のない口座のお金は「休眠預金」へ

学生時代にアルバイト代の受け取り口座として利用していた口座、普段あまり利用しないけれど定期預金のキャンペーンを利用するために開設した口座など、過去に利用していた口座を解約せずに放置している人は少なくないでしょう。

こうして10年間まったく異動がなかった口座の預貯金等は「休眠預金」となり、預金保険機構に移管された後、民間公益活動に活用されます。

内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン「放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。」によると、10年間取引のない口座の預貯金等は、過去毎年1200億円のペースで発生しているとのこと。

こうしたお金を社会に役立てようと、2018年1月1日から「休眠預金等活用法」が施行されました。

休眠預金の対象となる預金とは?

休眠預金の対象となる預貯金は、主なものだと「普通預金」や「定期預金」などです。外貨預金や財形貯蓄、マル優口座の預貯金については、休眠預金の対象外となります。

休眠預金の対象・対象外の預貯金は次のとおりです【図表1】。

【図表1】1/2

【図表1】

出所:金融庁「休眠預金等活用法Q&A」を元に筆者作成

休眠預金の対象となる預貯金

  • 普通預金・通常預金
  • 定期預金
  • 当座預金
  • 貯蓄預金
  • 金銭信託 など

※金融機関によって呼称が異なります。

休眠預金の対象外となる預貯金

  • 外貨預金
  • 財形貯蓄
  • 仕組預金
  • 譲渡性預金
  • マル優口座 など

※金融機関によって呼称が異なります。

休眠預金の判定基準「異動」に通帳記帳は含まれる?

休眠預金は10年間「異動」がない口座が対象となりますが、この異動にはどういう取引が含まれるのでしょうか。

金融庁「休眠預金等活用法Q&A」によると、「異動とは預貯金者が今後もその口座を利用する意思を表示したものと認められるような取引を指す」とあります。

最も分かりやすいのが入出金です。ただし、入金された利息は「異動」には含まれません。

通帳記帳をすれば「異動」にカウントされる場合もありますが、これは金融機関によって異なります。

全ての金融機関で「異動」と認められるものと、各金融機関が行政庁から認可を受けて「異動」と認められるものがあるため、異動事由については取引金融機関への確認が必要です。【図表2】

【図表2】2/2

【図表2】

出所:金融庁「休眠預金等活用法Q&A」を元に筆者作成

全金融機関共通の異動事由

  • 入出金(利子の支払を除く)
  • 手形又は小切手の提示等による第三者からの支払請求(金融機関が把握できる場合に限る)
  • 公告された預金等に対する情報提供の求め

金融機関が行政庁の認可を受けて異動事由となるもの

  • 預金者等による通帳や証書の発行、記帳、繰越
  • 預金者等による残高照会
  • 預金者等の申出による契約内容・顧客情報の変更
  • 預金者等による口座を借入金返済に利用する旨の申出
  • 預金者等による預金等に係る情報の受領
  • 総合口座等に含まれる他の預金等の異動

休眠預金からお金を出金するにはどうすればいい?

休眠預金からお金を引き出すには、金融機関へ来店または電話等で連絡して指示を仰ぎましょう。

通常、ATM以外で出金または振込をする際には、通帳・届出印・本人確認書類(原本)が必要となりますので、概ねこちらに準ずる流れとなるでしょう。

ただし、10年間放置していた口座ですので、届出印がない、あるいは分からないというケースも多々あります。通帳もキャッシュカードも取引があったことを示す現物はないものの「記憶」はあるというケースもあるでしょう。

この場合には、本人確認書類(原本)を持参し窓口へ来店すると、個人情報から休眠預金の有無を調べてもらえます。

また、転居し金融機関に登録されている住所と本人確認書類の住所が一致しない場合には、住民票等の提出を求められることも。

休眠預金の残高によって取扱いが異なることもありますので、あらかじめ必要書類を問い合わせてから来店するとスムーズかもしれません。

いずれにしても、休眠預金からの出金は、通常の出金とは異なり手続きに時間を要しますので、あらかじめ覚悟しておきましょう。

10年間異動がなくても利息はつきます!

休眠預金からお金を引き出す際には、利息も付きますのでご安心を。休眠預金になる前の預貯金種類の金利が適用されます。

休眠預金のお金は民間公益活動に活用されると聞くと、勝手にお金を吸い取られたような気持ちになるかもしれませんが、申し出があれば出金が可能です。

古い通帳やキャッシュカード、インターネットバンキングのカードなどが出てきたら、金融機関に相談してみましょう。

参考資料

和田 直子