ロスジェネ世代が抱える問題点とは
前述したとおり、ロスジェネ世代は就職氷河期であるバブル崩壊時代に就職活動をしていた世代であり、その時期の人たちは経済悪化の影響により就職難に陥りました。
バブル崩壊の影響を受け、多くの企業が人件費を削減しようと雇用調整をした結果、正規雇用採用が減少し、非正規雇用の枠が増大しました。
その結果ロスジェネ世代では、正規雇用の内定をもらえた人が少なく、現在もなお非正規雇用として働いている人が、他の年代よりも多い傾向にあります。
実際に、内閣府の「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料」によると、就職氷河期世代の中心層の雇用形態は下記グラフのようになっています。
就職氷河期世代の中心層は約1689万人で、そのうちの371万人が「非正規の職員・従業員」、219万人が「非労働力人口」となっています。
非正規の職員・従業員のうち、「正規雇用を希望しているが非正規雇用である人」は50万人となっており、「望んで非正規雇用として働いていない人」も一定数存在していることがわかります。
さらに、ニートや引きこもりといった無業者は40万人にものぼり、ロスジェネ世代の就職難は現在でも問題視されている現状が見て取れます。
正規雇用と非正規雇用で広がる賃金格差。年金受給額にも影響?
前章で、就職氷河期世代の371万人が「非正規の職員・従業員」として働いており、現在もなお満足のいく雇用条件で働けない人が多いことがわかりました。
正規雇用と非正規雇用では賃金に大きな差が生じますが、果たしてどのくらい賃金に違いが出るのでしょうか。
厚生労働省の発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」では、40歳代の正社員と正社員以外の雇用形態における賃金は下記一覧表の結果となりました。
上記表によると、正規雇用の賃金が40歳代前半で「34万7500円」後半で「36万6300円」なのに対して、非正規雇用は「21万7600円」「21万2800円」です。
その差は約1.5倍前後となっており、受け取れる収入に格差が生じていることがわかります。
収入差があることで生活水準が変わってくるだけでなく、「厚生年金の受給額」にも大きな影響が出てきます。
厚生年金は、年収や加入期間によって受け取れる受給額に変動があるため、ロスジェネ世代は、現役時代の収入だけでなく「老後の生活を支える収入」においても、苦労する可能性があります。