マイホームの代金について、一括で購入できるほどの収入がある人はほとんどいません。約8割以上の方が、住宅ローンを利用していると言われています。

そして住宅ローンの借入期間は最長で35年ですが、返済が滞ってしまうとマイホームを手放さなければならなくなるので、できるだけ収入があるうち(定年退職前)に返済が完了するように返済計画を立てる必要があります。

住宅金融支援機構の「2020年度住宅ローン貸出動向調査」によると、フラット35(買取型・保証型)を除く住宅ローンの貸出期間(借入期間)は、25年超30年以下の割合が44.4%で最も高く、平均は27.0年となっています。

一方、完済までの期間は10年超15年以下の割合が最も高くて43.2%になっていて、平均は16.0年となっています。

借入時の借入期間との差が11年あり、「借り換え」や「繰り上げ返済」を行うことで実際には当初の借入期間よりも前倒しで返済していることがわかります。

住宅ローンは定年までに完済できるように組むのが理想ですが、実際には70歳になっても住宅ローンが残っているケースもあります。

9月からは住宅ローンの金利を引き上げる大手銀行もあり、資金計画に慎重になる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、一般的な住宅ローンの年齢制限や理想の完済年齢、住宅ローンを組む際の注意点などを紹介します。

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住宅ローンの申し込み年齢や完済時の年齢、借入期間は?

どの金融機関でも住宅ローンの申し込みが可能な年齢や完済時の年齢、借入期間が定められていて、申し込み可能な年齢は「20歳以上から70歳未満(一部の金融機関では65歳未満)」、完済時の年齢は「80歳未満」となっているのが一般的です。

そして借入期間は最長で35年となっていることがほとんどです。

(耐震性能や省エネ性能などの基準を満たした長期優良住宅を購入する場合には、返済期間が最長50年の「フラット50」があります)。

したがって35年の住宅ローンを組もうと思ったら、一般的には45歳未満がタイムリミットになります。

さらに安定した収入を確保することができる定年までに返済を終了したいと思う場合には、65歳までに完済できるように住宅ローンを組む必要があります(定年が延長になったとしても70歳までです)。

すなわち「30歳から35年のローンを組む」ほかに、「35歳から30年のローンを組む」、「40歳から25年のローンを組む」ことなどが必要になります。