10月は公的年金の支給月ですが、年金振込通知書に記載されている額に比べ、手取り額が少なくなる可能性があります。
なぜ、年金振込通知書の金額よりも手取り額が低くなるのでしょうか。
今回は、6月の年金振込通知書に記載された金額より手取り額が変わる理由について解説します。
1. 年金振込通知書とは
年金振込通知書は、毎年6月に年金を受け取る人に送付されます。
一般的に、その年の6月から翌年4月に支払われる金額は、原則は毎年6月の年1回しか送付されません。
振込額や振込口座が変更された場合は、その都度送られます。
6月に送付された年金振込通知書に記載されている金額より、10月以降に振り込まれる手取り額が減少するケースがあります。
公的年金の手取りが減る理由について確認していきましょう。
2. 年金の手取り額が変わる理由
年金の手取り額が変わる理由は、以下の3つです。
- 特別徴収がスタートしたから
- 前年の所得が一昨年よりも増えたから
- 4月から8月は仮徴収期間だから
それぞれの理由について確認していきましょう。
2.1 特別徴収がスタートしたから
公的年金の手取り額が減少するのは、特別徴収がスタートしたからという可能性が考えられます。
年金の受給額が年18万円以上だと、住民税や国民健康保険料などが天引きされます。これを特別徴収といいます。
それまで納付書で支払っていた税金や社会保険料が公的年金から天引きされるため、手取りが減少する仕組みです。
特別徴収は公的年金を受給してすぐには始まりません。
そのため、初めて年金を受け取り始めた人は、途中から特別徴収がスタートして手取り額が減少すると押さえておきましょう。
2.2 前年の所得が一昨年よりも増えたから
次に、所得が増えて税金や社会保険料の負担が増す点も理由になるでしょう。
住民税や社会保険料は、原則として前年の所得が基準となります。
仕事や副業で収入が増えて、所得が一昨年よりも増えていた場合は、天引きされる金額が多くなるでしょう。
前年の所得をベースに住民税や社会保険料を新たに反映するのが10月からになります(次項参照)。
そのため、前年の所得が増えた場合は年金の手取り額が減るので注意が必要です。
2.3 4月から8月は仮徴収だから
4月から8月は、仮徴収の期間として「前年2月と同額」が天引きされます。そのため、社会保険料や住民税の納付額が正式に反映されるのは10月になります。
住民税や社会保険料の納付額が前年分よりも増えていた場合は、10月の納付額は減少するので気を付けましょう。
3. 年金振込通知書の見方
年金振込通知書の見方について、確認しておきましょう。
確認しておくべきポイントは、以下の7点です。
- 年金支払額
- 介護保険料額
- 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料
- 所得税額および復興特別所得税額
- 個人住民税額
- 控除後振込額
- 参考:前回支払額
それぞれの項目について解説します。
3.1 年金支払額
年金支払額は、公的年金の総支給額です。
ねんきん定期便に記載されている見込み額などは、年金支払額に記載されている額と同じ金額になります。
ねんきん定期便の見込み額は、税金や社会保険料が天引きされる前の金額になっているので注意しましょう。
3.2 介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額が記載されています。
金額が記載されている対象者は、年間で受給できる公的年金が18万円以上ある人です。
3.3 後期高齢者医療保険料
75歳以上になると、後期高齢者医療保険料の金額も天引きされます。
介護保険料額の下段に金額が記載されていれば、後期高齢者医療保険料の天引き額です。
3.4 所得税額および復興特別所得税額
年金から天引きされる所得税及び復興所得税の金額です。
3.5 個人住民税額
年金から天引きされる住民税の金額です。
3.6 控除後振込額
控除後振込額は、いわゆる手取りで受け取れる年金額です。
10月は税金や社会保険料の天引き額が正式に反映されるので、振り込まれる金額が異なる可能性があります。
3.7 参考:前回支払額
2021年10月から年金振込通知書には、前年の定期支払月が記載されています。
4. 10月分の年金額と振込通知書の金額はチェックしておきましょう
年金振込通知書に記載されている10月分の年金額は、前年の所得や特別徴収によって目減りする可能性があります。
支給額が予定より少ないと感じた場合は、特別徴収や前年所得の増加、また仮徴収していた税額の調整が入ったと考えておきましょう。
年金振込通知書の見方は、項目を押さえれば理解できる内容なので、通知書が届いたら想定でいくら年金が振り込まれるのか、確認しておきましょう。
参考資料
川辺 拓也