2. 年金の手取り額が変わる理由

年金の手取り額が変わる理由は、以下の3つです。

  • 特別徴収がスタートしたから
  • 前年の所得が一昨年よりも増えたから
  • 4月から8月は仮徴収期間だから

それぞれの理由について確認していきましょう。

2.1 特別徴収がスタートしたから

公的年金の手取り額が減少するのは、特別徴収がスタートしたからという可能性が考えられます。

年金の受給額が年18万円以上だと、住民税や国民健康保険料などが天引きされます。これを特別徴収といいます。

それまで納付書で支払っていた税金や社会保険料が公的年金から天引きされるため、手取りが減少する仕組みです。

特別徴収は公的年金を受給してすぐには始まりません。

そのため、初めて年金を受け取り始めた人は、途中から特別徴収がスタートして手取り額が減少すると押さえておきましょう。

2.2 前年の所得が一昨年よりも増えたから

次に、所得が増えて税金や社会保険料の負担が増す点も理由になるでしょう。

住民税や社会保険料は、原則として前年の所得が基準となります。

仕事や副業で収入が増えて、所得が一昨年よりも増えていた場合は、天引きされる金額が多くなるでしょう。

前年の所得をベースに住民税や社会保険料を新たに反映するのが10月からになります(次項参照)。

そのため、前年の所得が増えた場合は年金の手取り額が減るので注意が必要です。

2.3 4月から8月は仮徴収だから

4月から8月は、仮徴収の期間として「前年2月と同額」が天引きされます。そのため、社会保険料や住民税の納付額が正式に反映されるのは10月になります。

住民税や社会保険料の納付額が前年分よりも増えていた場合は、10月の納付額は減少するので気を付けましょう。