高値圏のもみ合いで上値は重いが堅調さを感じさせる

2017年11月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より27円70銭高の22,550円85銭となりました。3日続伸です。

安倍晋三首相が24日午後、首相官邸で米エール大学名誉教授の浜田宏一内閣官房参与、本田悦朗駐スイス大使と会談したと伝わりました。日銀の黒田東彦総裁の任期が2018年4月で切れます。浜田氏、本田氏はいずれも首相の経済ブレーンで、特に本田氏は金融緩和に積極的です。総裁の後任人事や金融政策について意見交換したとの見方から思惑的な買いが入りました。

今週は外国為替市場で円相場が大幅に続伸しました。22日のニューヨーク外国為替市場では一時、1ドル=111円14銭と9月20日以来ほぼ2か月ぶりの高値を付けました。24日の円相場は3営業日ぶりに反落したものの、1ドル=111円50~60銭で取引を終え、依然として円高傾向となっています。

ただ、これまでであれば円高進行で輸出企業株を中心に売られる展開が多かったのですが、今週はそれほど振られることはなく、個別銘柄ではむしろ物色が続き、全体としては小じっかりとした結果になりました。

米国や欧州の株高傾向も続いています。米国は23日が感謝祭で祝日でしたが、同日に始まった年末商戦が好調と伝わり、24日にはダウ工業株30種平均が反発しました。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、3日続けて最高値を更新しました。

来週以降の展開はどうなるでしょうか。日経平均は高値圏でのもみ合いが続いているものの、目先の調整に対しては押し目買いが入る動きで堅調さを感じます。値固めをした上で、さらに上昇を試す局面に入っていると考えられます。

ただし、22日には米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定したり、24日にはエジプトでテロが発生し235人が死亡したりするなど地政学的なリスクも高まっています。週明けの動向には注意が必要です。

小幅にもみ合うが、5日移動平均線で下支えされる

今週の動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。先週末17日は反発したとはいえ、長い陰線となっていました。さらに今週初、窓をあけて下落して寄りついたことから心配されましたが、後場では下げ渋り、5日移動平均線付近でサポートされました。

21日~23日は、海外投資家が少なく、ローソク足の実体が短くなる方向感が出しにくい展開でした。祝日明けの24日には再度、窓をあけて下落して寄りついたものの、週初と同様に5日移動平均線付近で反発し、陽線となりました。

三角持ち合いを抜け、さらに上昇する動きか

今後の動きはどうなるでしょうか。現状は、高値も切り上がらず、安値も切り下がらない三角持ち合いの形になっています。下に抜けるか上に抜けるか予想は難しいところですが、目線は上に持っていいと思います。

16日に25日移動平均線にタッチして反発したことや、今週は5日移動平均でサポートされるなど、値固めの動きが感じられます。ここを踏み台に、さらに高値に挑戦していくのではないでしょうか。ただし、積極的な出動はこの三角持ち合いを抜けてからでも遅くないと思います。

足元の上値めどとしては、先週から今週の高値であり目先の節として意識されやすい22,600円付近で、そこを抜けると次の目標は11月9日の高値(23,382円)になります。2万3000円台で定着するようであれば、一段上のステージが見えてきてきます。

逆に来週初に5日移動平均線を割り込んでくるようであれば注意が必要です。ただし、25日移動平均線あたりまでは押し目買いの好機と考えていいでしょう。

下原 一晃