【厚生年金】おひとりさまの年金平均
- 男性:月額16万3380円
- 女性:月額10万4686円
- 全体:月額14万3965円
国民年金であれば5万円台ですから、公的年金以外の備えは必要ですし、その金額も大きくなることが想定されます。
厚生年金であっても、女性の平均が10万円台です。
厚生年金の場合、加入月数や収入に応じて支払った保険料に応じて将来の受給額が決まります。
そのため、男性より賃金が低い傾向にあったり、育児や介護で働き方をセーブしたりする女性は厚生年金の金額が男性に比べて低くなりがちです。
少子高齢化の日本では、今後年金受給額が減る可能性もあります。遺族年金を受け取れるかたもいますが、加入状況による場合もあります。
厚生年金であっても老後の備えは今後重要であるといえるでしょう。
おひとりさまの老後資金の必要額をシミュレーション
総務省の資料によれば、65歳以上のおひとりさまの月の生活費は15万5495円でした。
厚生年金の女性の平均月額10万4686円を受給したとしても、月に5万809円の赤字になります。
老後を65~90歳までと仮定すれば、生活費だけで1524万2700円の老後資金が必要です。
賃貸暮らしで月の生活費が20万円必要だとすると、月の赤字は9万5314円。25年間で2859万4200円になります。
もちろんこれは「生活費の赤字」のみです。生活費は個人差があり、たとえば病気やケガをしたり、物価高など社会情勢の変化によって増える可能性もあるでしょう。
また旅行やレジャーを楽しみたい、リフォームしたい、家電や車を買い替えたい、介護が必要などとなれば、さらに資金が必要となります。
40歳代など早くからひとりの老後対策を
今回確認したように老後資金の必要性は高まる一方で、日本ではなかなか平均年収が上がらなかったり、社会保険料が増えたりといった事実もあります。
すぐに老後資金を貯めるのは困難なため、「早くから」「コツコツ備える」ことが老後資金をためる鍵となるでしょう。
老後資金準備は気づいたときから、できれば40歳代からはじめたいところ。
また、「コツコツ備える」といっても預貯金から資産運用などさまざまな方法があります。
2024年からは新NISAがはじまりますが、国はiDeCoやNISAといった税制優遇制度を整えています。
運用を取り入れることでリスクはある一方で、リターンが得られる可能性も生まれます。
おひとりさまは1人で働いて生計を立てねばなりませんが、資産運用をすることで「お金に働いてもらう」ことも可能でしょう。
新NISAは老後資金対策の有効な手段の一つとなりえますから、はじまるまでの約4ヶ月で情報収集をされるといいでしょう。
あわせて、長く働き続けることも、収入や貯蓄を増やすためには重要です。
長く働き続けるキャリアプランも早くから立ててみてくださいね。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「人生100年時代における結婚と家族 特集 ~家族の姿の変化と課題にどう向き合うか~」
宮野 茉莉子