ストライキの現状

今回の同社ストライキは大きくメディアでも取り上げられ、また驚きの声も上がっていた。

それもそのはず、2023年現在において、ストライキはとても珍しいものとなっている。

【図表1】は「半日以上のストライキ」が行われた件数を年度ごとにまとめたものである。

1974年の5197件をピークに、右肩下がりで減少していき、2022年は33件であった。

「33件も行われている」、「33件しか行われていない」、のどちらと捉えるかは個々人によって異なるであろう。

上記のような背景があり、2023年8月に同社・西武池袋店でストライキが実施されたことから、驚きの声があっても不思議ではない。

そごう・西武のストライキ

そごう・西武のストライキは、同社の親会社であった株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東証プライム、3382)が同社を売却することを決議したことに起因する。

株式会社セブン&アイ・ホールディングスが売却の基本合意をした相手方は、フォートレス・インベストメント・グループLLCの関連事業体である特別目的会社(以下「フォートレス」という)であり、アメリカの投資ファンドであった。

小売業である株式会社セブン&アイ・ホールディングスから、海外の投資ファンドに経営権が移ることとなる。

同社の労働組合は、親会社が変更となった場合、「雇用維持ならびに事業継続」が継続されるかについて、協議がまとまらず、ストライキ実施という結果になった。