新たに負担が増える「改正健康保険法」とは?
今回の改正によって、年金収入が153万円を超える人の保険料を、段階的に引き上げます。
そのため、保険料の年間上限額も、現行の66万円から2024年度は73万円、2025年度は80万円に引き上げる見通しです。
今回の改正案では、低所得者に配慮しつつ、各個人の負担能力に応じて保険料が引き上げられる内容となっています。
2024年度の後期高齢者1人あたりの平均保険料は8万6100円、2025年度は8万7200円となる見通しです。
各年収における保険料は、【図表2】を参考にしてください。
引き上げられた保険料は「出産一時金」の財源をはじめ、子育て世帯を支援するための財源に回る予定です。
後期高齢者の保険料は各都道府県で異なる
後期高齢者医療制度の保険料を、東京と大阪でシミュレーションしました。
公的年金からの収入が同じでも、保険料は居住している都道府県で異なります。
詳しく保険料を知りたい人は、各都道府県の広域連合が公表しているウェブサイト等で確認してください。
後期高齢者医療制度は、2年ごとに保険料の見直しが行われますが、今後も保険料の負担が増え続ける可能性が高いです。
今後どのように保険料が推移するか、引き続き注目していきましょう。
(2023年9月7日14時55分追記:読者の方からの指摘を受けて本文の一部を修正しました)
参考資料
- 厚生労働省「後期高齢者医療の保険料について」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「後期高齢者医療制度 保険料計算例」
- 大阪府後期高齢者医療広域連合「令和5年度保険料試算」
- 厚生労働省保険局「医療保険制度改革について」
川辺 拓也