2. 厚生年金と国民年金の違いとは?

厚生年金と国民年金の違いをまとめると、下表の通りになります。

それぞれの項目における違いを確認しましょう。

2.1 加入対象者

厚生年金の加入対象者は、会社員や公務員です。

一般的に、正社員が厚生年金の加入要件ですが、アルバイトやパートタイマーでも、以下の要件を満たせば、厚生年金に加入できます。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8万8000円以上
  • 2ヵ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

一方、国民年金は20歳以上60歳未満で日本に住む全員が原則として加入します。

2.2 保険料

厚生年金の保険料は、月ごとの報酬月額によって決まる仕組みになっています。

そのため、加入者それぞれ保険料がばらばらです。

一方、国民年金の保険料は一律で定められています。

2023年度は月額で1万6520円です。

2.3 保険料負担

国民年金は、保険料をすべて加入者が全額負担します。

一方、厚生年金保険料の負担は事業主(勤務先)と折半です。

そのため、実際の保険料は、給与明細で控除されている金額の2倍になります。

2.4 最低加入期間

最低加入期間とは、老齢年金を受給するために必要な加入期間です。

厚生年金は1ヵ月ですが、国民年金は最低10年間の加入が必要となります。

2.5 厚生年金と国民年金はいくら受給される?

国民年金は保険料が定額なので、納付期間によって将来受け取れる年金額が異なります。

20歳から59歳まで保険料を満額納めた場合、老齢基礎年金は6万6250円です。

一方、厚生年金の受給額は働いていたときの報酬月額と加入期間に応じて決まるので、加入者によって年金額は異なります。

平均的な収入で40年間就業した場合、夫婦2人で受給できる厚生年金は月額22万4000円です。