金融広報中央委員会の調査によると、60歳代の単身世帯のうち「貯蓄なし」の世帯が28.5%を占めます。

老後に2000万円問題が話題となる中、貯蓄のないおひとりさまの中には、老後生活に不安を感じている人もいるでしょう。

とはいえ、総務省が2023年8月18日に公表した「消費者物価指数」における総合指数は、2022年比で3.3%の上昇に。

物価高による家計の圧迫で、なかなか老後対策が進まないというのが実情かもしれません。

本記事では、貯蓄のない60歳代のおひとりさまの老後対策について解説します。

今からでも間に合う対策を紹介しますので、自身の老後計画を検討してみましょう。

※編集部注:外部配信先では【円グラフ】などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

60歳代単身者の貯蓄状況

まず最初に、60歳代単身者の貯蓄状況を確認しましょう。

●平均額は1388万円、中央値は300万円

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)の各種分類別データ」によると、60歳代単身世帯の平均貯蓄額(金融資産)は1388万円です。

2人以上世帯の平均1819万円と比較してかなり少ない状況です。

また、高額の資産を持つ人が平均額を引き上げていることに注意しましょう。

60歳代単身世帯を資産の多い世帯から順番に並べるとちょうど真ん中にくる世帯の貯蓄額(中央値)は300万円と、さらに低くなります。

60歳代単身世帯の約半分は貯蓄が300万円以下ということです。