2. 2022年度決算の好業績や増配、円安が上昇のドライバーか
市場下落の影響が一巡したのち、5月10日には両社の2022年度の通期決算が発表され、両社とも株価上昇の契機の一つになったと考えられます。
まず、業績で見ると、川崎重工業は売上高に相当する受注高が前期比+4353億円の2兆374億円、税引き前損益が同+456億円の732億円と増収増益となりました。
三菱重工業も受注高4兆5013億円(前年4兆677億円)、事業利益が1933億円(同1602億円)とこちらも増収増益でした。
両社の増配も株価の上昇要因の一つだと思われます。
2022年度の通期決算の中で川崎重工業が前年度の1株あたり40円から90円への引き上げ、三菱重工業も100円から130円へ引き上げを発表しています。
両社の決算説明資料においては、円安が追い風要因となったことにも触れられています。いずれの企業も海外事業を積極的に展開しているため、基本的には円安は業績の伸長要因となります。
株価は為替相場の影響も受けやすい傾向にあり、5月~6月にかけては図のとおり円安が株価上昇要因の一つになったとも考えられるでしょう。