2. 円安と強気の2023年度見通しが追い風か

2023年4月頃からの株価が上昇していますが、まず為替相場が追い風に働いていたと考えられます。

日産自動車とトヨタ自動車はともに海外事業を積極的に展開する企業なので、為替の業績に対するインパクトが大きいのが特徴です。

たとえば2022年度でいうと、日産自動車は+1857億円、トヨタ自動車は+1兆2800億円の営業利益に対するプラスインパクトがありました。

トヨタ自動車と日産自動車の株価およびドル円為替推移(円/ドル)2022年3月31日~2023年7月31日、トヨタ自動車と日産自動車の株価水準を平準化するために2023年3月31日の株価終値を100として指数化

出所:各種資料を元に筆者作成

このように円安は追い風という印象があり、為替相場が円安に進むと両社の株価も上昇しやすい傾向があると思われます。

また、上昇の背景には両社の業績見通しも影響していると考えられます。

そもそも2022年度は原価高騰の影響が強かったことから、自動車産業にとっては厳しい市場環境でした。そのため、今後の回復動向に注目が集まっていたと思われます。

2023年度の見通しにおいて、トヨタ自動車は生産台数1000万台超え、かつ、売上高・営業利益ともに増収増益を見込んでいます。

為替はドル円で6円、ユーロ円で10円円高という保守的な水準を前提としての見通しであり、本業の実力ベースで業績を改善する見通しとなっています。

日産自動車についても、為替はドル円、ユーロ円とも6円高を見込みながら、増収増益を達成する予想となっています。

以上のように本業での業績回復が期待できる内容であったことも、株価の上昇要因と考えられます。