令和に入り、高校野球を取り巻く環境は大きく変化しています。硬式野球部員数はここ10年間で4万人以上減少。2014年は17万312人だったのに対し、2023年には12万8357人と、減少率は24%を超えています。

背景として考えられるのは、少子化だけではありません。「厳しすぎる指導」「投手の酷使」「公式戦の少なさ」といった、高校野球が抱える問題も数多くあります。

そんな現状に危機感を覚えた現場の指導者が行う、先進的な取り組みについて取材しました。

6校の高校が入り混じって試合を行う球児たち

出所:筆者撮影

慶應義塾高校が107年ぶりの優勝を決めた8月23日。千葉県にある、千葉商科大学付属高等学校・秋山グラウンドと松戸向陽高校グラウンドでは、6つの高校が入り混じった試合が開催されていました。

出場していたのは、今夏の千葉県大会でベスト4に進出した千葉商大付属高校、船橋高校、松戸向陽高校、白井高校、君津商業高校、四街道高校の6校。

それぞれの高校同士ではなく、6校の選手が4チームにミックスされた状態で試合を行っているのです。

出所:筆者撮影

いつもとは違うチームメイトに囲まれていますが、選手たちは臆することなく「打席を楽しめ!」「いいスイングだよ」といったプラスの声を掛けます。

それ以外にもエラーをした他校の選手にアドバイスするなど、本気で野球を楽しみ、皆で上達しようという気持ちが伝わってきました。