過去の同月に公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。 (初公開日:2022年8月4日) |
2022年7月29日に公表された厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によれば、日本人の平均寿命は男性81.74歳、女性87.57歳になりました。
昨年と比べて平均寿命は下がりましたが、日本が長寿国であることに変わりはありません。
一般的な年金の受給開始は65歳から。65歳から平均寿命まで、男性は約16年、女性は約22年あります。
とはいえ、最近では企業の退職年齢が延びたり、老後の必要資金が不足していたりなど、さまざまな理由で60歳を超えても働く人が増えてきています。
内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によれば、60代の就業率を2002年と2020年で比較すると、以下のようになっています。
60~64歳
- 57.1% (2002年)
- 71.5% (2021年)
65~69歳
- 36.4% (2002年)
- 50.3% (2021年)
この20年ほどで、働く60代の方が増えていることが分かります。
もちろん「働くことが生きがいだ」という理由で働いている方も多いと思いますが、「働かないと生活が苦しい」といった理由で働く方も一定数いるのではないでしょうか。
はたして65歳以上の方はどれほどの資産を有しているのでしょうか。
今回は、「65歳以上の無職世帯」にスポットを当てて、平均貯蓄額をみていきたいと思います。
老後に向けて資産を増やす3つのコツもみていきましょう。
1. 65歳以上の貯蓄事情はどうなっている?
まずは、65歳以上の貯蓄状況を、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」で確認してみましょう。
1.1 【65歳以上無職世帯】貯蓄額
平均貯蓄現在高:2342万円
【内訳】
- 通貨性預貯金:623万円
- 定期性預貯金:924万円
- 生命保険など:403万円
- 有価証券:388万円
- 金融機関外:4万円
平均貯蓄現在高は2000万円を超え、少し前に話題になった「老後2000万円問題」もクリアできているようにみえます。
ただ、平均値は一部の大きい値に引っ張られ、しばしば実態とはかけ離れたケースが散見されるので注意が必要です。
内訳をみると、約7割が預貯金ですね。
その一方で生命保険や有価証券が約3割を占めるなど、運用の割合もある程度あることが分かります。