3. 老後に向けて資産を準備するための3つのポイント
平均寿命や年金・物価高への不安を考えても、老後に向けて資産を準備することは重要です。
特に次の3つのポイントをおさえるといいでしょう。
1つ目は「ゴールを知ること」です。
自分自身が望む老後を過ごすために、必要な資金はいくらでしょうか。このままいくと、自分自身は将来いくらの年金を受給できるのでしょうか。
老後2000万円問題はあくまで一例に過ぎません。持ち家か賃貸か、会社員か自営業か、人や状況によって千差万別です。
いかに老後を「自分事」と捉え、具体的な金額を調べることが重要となります。
2つ目は「いかに早く取り組むか」です。
後ほど紹介しますが、将来資金を作り出すためには長い時間をかけることが非常に重要です。
たった1年、2年の差が後々非常に大きな差になることもあります。気づいたときからはじめることが大切です。
3つ目は「積立投資を活用すること」です。
上手に効率よく資産を増やすためには、「積立投資の活用」を検討してみて下さい。
たとえば、「月3万円・30年間」貯蓄した場合を例にあげます。
3.1 預貯金で貯蓄した場合
- 1080万円
3.2 積立投資で貯蓄した場合
- 約2496万円 (※金融庁資産運用シミュレーション活用/想定利回り(年率5%の場合))
同じ金額を同じ期間貯蓄するだけでも、効果の違いは歴然です。また、20年間の場合は約1233万円となるため、期間も重要です。
投資にはリスクがありますが、積立投資で長期間運用することによってリスクを軽減し、複利の効果も重なって利益が出る場合があるでしょう。
4. まとめにかえて
自分の現状を知り、また老後のための具体的な行動をとるのには時間がかかります。
なかでも投資と聞くと、「難しそう」「損しそう」というイメージが先行してしまう方もいるでしょう。きちんと情報収集をして、正しく怖れることは重要といえます。
お盆休みなど時間のあるときに、まずは自分のゴールを知ることから初めてみてはいかがでしょうか。人生設計をして、望む将来を過ごすための第一歩です。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」(2022年7月29日公表)
- 内閣府「令和4年版高齢社会白書(全体版)」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 公益財団法人 生命保険文化センター 「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
荻野 樹