4. 年金に頼らない老後のために、現役世代ができることとは
公的年金だけでは老後の生活が厳しい、ということになれば、定年退職後もできるだけ長く働き続けるか、蓄えを切り崩して収入不足を補っていくしかありません。
しかし、長く働くには健康が前提になります。病気や介護のリスクが高まる老後に働き続ける想定をするライフプランは、大きなリスクを抱えた一種の「賭け」と言えるのではないでしょうか。
若く、老後までの時間が十分にある現役世代にとっては、時間の長さを生かしてコツコツと資産形成に励むことの方が、ずっと確実でしょう。
資産運用は必ず「リスク」を伴いますが、資産運用をした方が「人生におけるリスク」を減らすことができるのではないしょうか。
5.リスクと付き合いながら資産運用を
公的年金の原資を預かる「安全第一」のはずのGPIFも、積立金を現金ではなく、株式や債券などの資産で保有し、運用しています。
国内債券、外国債券、国内株式、外国株式を25%ずつ、バランスよく保有するというのがGPIFの「基本ポートフォリオ」になっています。資産運用のリスクが心配な方は、こうした公的機関の運用の考え方を参考にしてはどうでしょうか。
「NISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」など、税制優遇を受けながら資産運用できる制度が充実しています。2024年からは新NISAもはじまる予定です。これまで投資と縁のなかった人も、投資を始めやすい環境が整ってきました。
投資にはもちろんリスクがともないますが、長期で見れば毎月コツコツと一定額を積立することにより、リスクを軽減させる効果もあります。
自分はどこまでリスクを取れるのか。
まずは理想のセカンドライフを思い浮かべ、自分の性格や状況に合った資産運用を取り入れることが大切です。
参考資料
上田 輔