公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が8月、2023年4~6月期の運用成績を発表しましたね。18兆9834億円の黒字で、四半期の黒字額として過去最高だったということです。

私たちが将来受け取る年金の原資になるお金ですから、着実に殖えているのはうれしいことです。

少子高齢化で将来受け取れる年金額を悲観する方も多いのではないでしょうか。

まずは現在の高齢者世代がどのくらいの年金額を受け取っているのか確認してみましょう。

1.「国民年金・厚生年金」の仕組みを確認 

日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の2種類で構成されており「2階建て」といわれています。それぞれの特徴は以下の通りとなってます。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
  • 年金額:満額79万5000円(※令和5年度の年額)✕調整率(480カ月に未納期間がある場合は減額されます。)

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せで支給)

このように国民年金と厚生年金では、加入対象や保険料、年金額の決定方法などに違いがあります。

現役時代の働き方が老齢年金に大きく影響しますので、ご自身がどちらに該当するのかきちんと把握しておきましょう。

2. 「国民年金」みんないくらもらってる?

厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、いまのシニアが毎月いくら年金を受け取っているのかを見ていきましょう。

《国民年金の平均月額》

  • 男女全体:5万6368円
  • 男性:5万9013円
  • 女性:5万4346円

3. 「厚生年金」みんないくらもらってる?

厚生年金も見ていきましょう。

《厚生年金の平均月額》

  • 男女全体:14万3965円
  • 男性:16万3380円
  • 女性:10万4686円

国民年金と厚生年金の平均月額を比べると、男女全体では約9万円、男性は約10万円、女性は約5万円もの差があることが分かります。

国民年金のみの方は、現役時代から老後資金を厚めに準備しておきたいですね。厚生年金の方も決して十分とはいえない水準ではないでしょうか。

「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」にて将来の年金見込額を確認して、老後の年金生活に向けてどのような対策が必要かを考え、早いうちに進めていきましょう。

4. 年金に頼らない老後のために、現役世代ができることとは

公的年金だけでは老後の生活が厳しい、ということになれば、定年退職後もできるだけ長く働き続けるか、蓄えを切り崩して収入不足を補っていくしかありません。

しかし、長く働くには健康が前提になります。病気や介護のリスクが高まる老後に働き続ける想定をするライフプランは、大きなリスクを抱えた一種の「賭け」と言えるのではないでしょうか。

若く、老後までの時間が十分にある現役世代にとっては、時間の長さを生かしてコツコツと資産形成に励むことの方が、ずっと確実でしょう。

資産運用は必ず「リスク」を伴いますが、資産運用をした方が「人生におけるリスク」を減らすことができるのではないしょうか。

5.リスクと付き合いながら資産運用を

公的年金の原資を預かる「安全第一」のはずのGPIFも、積立金を現金ではなく、株式や債券などの資産で保有し、運用しています。

国内債券、外国債券、国内株式、外国株式を25%ずつ、バランスよく保有するというのがGPIFの「基本ポートフォリオ」になっています。資産運用のリスクが心配な方は、こうした公的機関の運用の考え方を参考にしてはどうでしょうか。

「NISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」など、税制優遇を受けながら資産運用できる制度が充実しています。2024年からは新NISAもはじまる予定です。これまで投資と縁のなかった人も、投資を始めやすい環境が整ってきました。

投資にはもちろんリスクがともないますが、長期で見れば毎月コツコツと一定額を積立することにより、リスクを軽減させる効果もあります。

自分はどこまでリスクを取れるのか。

まずは理想のセカンドライフを思い浮かべ、自分の性格や状況に合った資産運用を取り入れることが大切です。

参考資料