3.2 厚生年金の平均年金月額:14万3965円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3380円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4686円
※国民年金の金額を含む
国民年金は全員一律の保険料(年度ごとに見直しあり)を40年間支払えば満額を受給できる仕組みです。未納期間があれば満額から差し引かれます。
厚生年金は現役時代の報酬や年金加入期間により決定した報酬比例部分を国民年金(基礎年金)に上乗せして支給されるため、国民年金より手厚くなる仕組みです。「平均年金月額」を見てきましたが、図表を見ていただくとお分かりのとおり個人差がみられます。
現時点での加入状況における年金見込額は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。
「思っていたより少ない」ということも十分に考えられますので、一度確認しておきましょう。
4. 老後に向けて
今回は「40~50歳代のおひとりさま」にフォーカスして、その貯蓄額や、平均的な支出状況についてお話をしていきました。
確定拠出年金制度(DC・iDeCo)が始まったのが2001年、一般NISA、つみたてNISAが始まったのが、それぞれ2014年、2018年です。
「貯蓄から投資へ」という大きな流れの中、投資を通じて資産形成を促す様々な制度が整えられてきたわけですが、それは今の40~50歳代が社会に出たあとのことです。
2022年から高校で金融教育が始まりましたが、40~50歳代はこうした機会も得ていません。そのためか将来資金のご相談に来られる40~50歳代は、総じて投資に苦手意識をお持ちの方が多いように感じます。
とは言え、いつまでも不遇をかこつわけにもいきません。
人生100年という視点に立てば、40~50歳代といってもまだ人生の折り返し地点です。
iDeCoやつみたてNISAを活用した積立投資はコツコツと時間をかけて運用成果を出す仕組みです。始めるのに遅すぎるということはありません。
まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書 3婚姻・出産の状況」
- 総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
上田 輔