50歳代おひとりさまが老後に向けてやるべきこと3つ

老後の主な収入源は「老齢年金」という世帯が多いことでしょう。しかし、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、いまのシニア世帯の平均年金受給額(月額)は、「国民年金5万6368円」・「厚生年金14万3965円」です。

年金受給額は個人で異なるため一概にはいえませんが、長い老後を年金収入だけでやり繰りできる世帯はそう多くないでしょう。老後は、現役時代のように転職や副業などでフレキシブルに収入アップを目指すことが難しくなります。

過度に不安になる必要はありませんが、楽観視し過ぎることのないよう老後に向けて「備え」をしておきましょう。

セカンドライフが目前に迫りつつある50歳代が、老後に向けてやるべきことを3つに絞ってご紹介します。

【50歳代おひとりさまが老後に向けてやるべきこと】①老後の収入と支出のシミュレーション

ご自身の老後の収入と支出、つまり家計収支をシミュレーションしてみましょう。多くの方が老後の主な収入源として公的年金を想定していると思います。

将来、どのくらいの年金収入があるのかを「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で把握しておきましょう。また、いまの生活費をベースに老後の支出を試算しておくことも重要です。

シミュレーションによって、老後にどのくらいの貯蓄があれば良いかを把握することもできます。

【50歳代おひとりさまが老後に向けてやるべきこと】②自分に合った方法で資産形成

老後に向けて資産形成に取り組みましょう。現時点で貯蓄ゼロかつ退職金などのまとまった資金が入る予定がない場合には、少し強い意識を持って資産形成をしていかなければいけません。

①で把握した「老後に必要な貯蓄額」を目標に、効率よく資産を積み上げていきましょう。

国が後押しする「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金制度)」などの非課税優遇制度を利用するのも良いかもしれません。しかし、目標金額・現時点の貯蓄額・貯蓄に回せる金額・リスク商品への抵抗感など個々で事情は異なりますので、必ずしもNISAやiDeCoが正解というわけではありません。

さまざまな金融商品がありますので、ご自身でリサーチしてご意向に合った方法で資産形成をしていきましょう。

【50歳代おひとりさまが老後に向けてやるべきこと】③生活レベルのダウンサイジング開始

老後のために資産を増やすことと並行して、生活レベルをダウンサイジングしていきましょう。将来の年金受給額や私的年金、貯蓄などにより程度は異なりますが、老後も現役時代と同レベルの生活水準を維持するのは簡単ではありません。

とはいえ、いざ老後を迎えてから一気に生活レベルを下げるのは、精神的にも容易いことではないようです。

そう遠くない老後生活に目を向けて、少しずつダウンサイジングを開始し、ご自身のお金事情に見合った生活レベルで老後を迎えましょう。

お金事情は人それぞれ、自分なりの取り組み方を!

収入や支出の金額だけでなく、何にお金をかけたいか、人生において何を優先したいかなど、個々で考えは様々です。

とはいえ、老後にお金が足りなくなる事態は避けたいもの。

老後に向けて大なり小なり「備え」が必要という点においては、多くの方に共通することといえるでしょう。

その老後に向けてどのように資産を作り上げていくのか、本記事でご紹介した「老後に向けてやるべきこと」を参考に、自分なりの方法を見つけて取り組んでいきましょう。

参考資料

和田 直子