今のご時世、70歳代というとまだまだ元気な方が多いイメージです。
老後の趣味にいそしんでいる方もいれば、まだまだ現役で働かれている方も多いのではないでしょうか。
実際に筆者が証券会社での営業を行っていたときのお客様の中にも、現役で働かれている方がたくさんいらっしゃいました。
70歳まで働くことによって、年金受給の開始年齢を繰り下げることは一つメリットになるかもしれません。
一般的な年金受給開始年齢は65歳ですが、受給開始を70歳からに繰り下げることで増額した年金を受給することができます。
では今の70歳代の年金受給がどれくらいなのでしょうか。
今回は、70歳代のリアルな貯蓄額や年金事情について見ていきたいと思います。
1. 70歳代「おひとりさまシニア」は増加傾向に。最新の平均寿命も確認
まずは内閣府「令和4年版高齢社会白書」より、65歳以上のひとり暮らしの者の動向を確認しましょう。
65歳以上の一人暮らしの方は1980年には男性4.3%、女性11.2%でしたが、2020年には男性 15.0%、 女性 22.1%へと増加しています。
厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」より、最新の平均寿命も確認しましょう。
男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳でした。
70歳代でおひとりさまの方は、その後も十数年以上ひとりの老後生活を送ることになります。
ひとりだからこその暮らしの楽しみもあれば、お金に関しては不安を抱える方もいるでしょう。では、70歳代おひとりさまのお金事情はどうでしょうか。
2. 70歳代「おひとりさまの貯蓄額」平均と中央値は
長い「ひとりの老後」を支えてくれるのは年金と貯蓄です。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、70歳代おひとりさまの貯蓄は以下の通りでした。
2.1 70歳代ひとり世帯の貯蓄の平均と中央値
- 平均:1433万円
- 中央値:485万円
平均は1000万円を超えましたが、より実態に近い中央値は485万円となっており、実際には個人差が大きいとわかります。
また貯蓄ゼロは28.3%となっており、約3~4人に1人は貯蓄ゼロです。