厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」によれば、令和4年における平均寿命は男性で81.05歳、女性で87.09歳です。

長生きできればそれだけ人生を楽しむことができますが、その一方で生活費が足りるかどうか心配になる方もいるでしょう。

特に70歳代以降は主な収入が年金のみという方が増えるため、「年金だけで生活費が支払えるか?」「貯蓄はどのくらいあればいいのか?」などと不安になるかもしれません。

また他の人はどのくらい年金を受給して、どのくらいの貯蓄があるのかも気になるところです。

そこでこの記事では、70歳代のリアルな平均年金受給額や平均貯蓄額を紹介していきます。

1. 最新の平均寿命「男性は81.05歳、女性は87.09歳」

厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳です。

令和3年よりも男性で0.42年、女性で0.49年下回っていますが、長寿である状況に変わりはないといえます。

2023年度において、厚生年金や国民年金の受給開始年齢は原則として65歳からとなっており、平均寿命まで生存した場合、男性は約16年間、女性は約22年間年金を受給することになります。

「老後」と呼ばれる期間が長くなり、生活費など経済面で不安を感じる方も少なくないでしょう。

近年、退職後以降も仕事を続ける方が増加しており、総務省の「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、2021年の高齢者の就業率は25.1%という調査結果がでています。つまり、高齢者の4人に1人が働いていることになります。

さらに、年齢別にみると65歳〜69歳では50.3%、70歳以上は18.1%の方が働いています。

60歳代後半の方は、年金を受給しながら働いて収入を得ている方もいるでしょう。しかし、70歳以上も働く方は2割弱となってしまい、主な収入源は年金のみとなっているようです。

では、70歳代では年金だけで生活していくことができるのでしょうか。次章では、70歳代の平均年金受給額や平均貯蓄額について解説していきます。

2.【70歳代の平均年金月額】厚生年金:14万6000円・国民年金:5万6000円

70歳代の厚生年金・国民年金の平均受給額について、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。

70歳代の厚生年金(国民年金の受給額を含む)の平均受給額は、約14万6000円です。

厳密には70歳代の前半と後半では若干異なり、70歳〜74歳までの平均が約14万4000円、75歳〜79歳までの平均が約14万8000円と、70歳代後半の方がやや高額になっています。

一方、70歳代の国民年金の平均受給額は、約5万6000円です。国民年金は70歳の前半が約5万7000円、後半が5万6000円とだいたい同じ金額となっています。