3.【70歳代の平均貯蓄額】二人世帯:1905万円・単身:1433万円

年金だけで生活費がカバーできない場合、貯蓄を切り崩すことになるでしょう。では、70歳代の貯蓄額は平均いくらなのかを見ていきます。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」によると、70歳代の二人世帯の平均貯蓄額は1905万円です。

ただし、平均額は貯蓄の高い世帯が値を押し上げていることもあり、実際には「中央値」の800万円が事実に見合った平均額といえるでしょう。

一方、同じく金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」によると、70歳代の単身世帯の平均貯蓄額は1433万円です。ただし、中央値は485万円となっています。

なお、二人世帯のうち3000万円以上の貯蓄がある世帯は18.3%である一方、貯蓄なしの世帯が18.7%存在しています。

単身世帯では、3000万円以上の貯蓄がある世帯は16.1%である一方、28.3%は貯蓄なし世帯となっています。

平均貯蓄額は二人世帯で1905万円(中央値は800万円)、単身世帯で1433万円(中央値は485万円)ですが、貯蓄のある世帯とない世帯の差が生じていることがわかります。

4. 老後に備えた対策を

日本は長寿大国といわれていることもあり、老後の人生が長くなる方が多いです。

年金受給開始から平均寿命まで生存した場合、男性は約16年間、女性は約22年間年金を受給することになります。

年金生活が長くなるほど経済的な不安も感じやすくなります。

これから年金生活に入る方は、年金受給見込額を確認し、不足する分を貯蓄などで補えるよう老後資金準備をしておくことをおすすめします。

参考資料

木内 菜穂子