今年の8月は、11日の「山の日」から長い連休が始まり、お盆休みをゆっくり過ごせる方も多いのではないでしょうか。
暑い時期なのでしっかりと休むことも大事ですし、また久しぶりに帰省し、友だちなどと会う方もいるでしょう。
家族や親戚とも、お会いできるかもしれませんね。
お盆に家族や親戚から、財産やもしもの相続の話が出てくるかもしれませんが、その時は、話だけでも聞いてあげてください。
すぐに決断はしなくても良いこともありますが、後になって「あの時に、しっかりと話を聞いておけばよかった」「話し合っておけばよかった」ということもあります。
少しでも関心を持って聞いてみてください。
さて、今回は70歳代の貯蓄実態から考えたい「老後のための貯蓄」について解説します。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
70歳代で「貯蓄3000万円以上」の割合はどのくらい?
金融広報中央委員会「令和4年家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、70歳代のリアルな貯蓄事情は【図表1】のとおりです。
- 総数 1083人
- 金融資産非保有者 18.7%
- 100万円未満 5.9%
- 100〜200万円未満 4.1%
- 200〜300万円未満 2.8%
- 300〜400万円未満 4.0%
- 400〜500万円未満 2.2%
- 500〜700万円未満 7.5%
- 700〜1000万円未満 6.5%
- 1000〜1500万円未満 10.3%
- 1500〜2000万円未満 7.1%
- 2000〜3000万円未満 10.0%
- 3000万円以上 18.3%
- 無回答 2.7%
平均値:1905万円
中央値: 800万円(四捨五入の関係で、100.0%にならないことがあります。)
全体の18.3%が、3000万円以上の貯蓄を持っています。
しっかりと将来のために準備している方が多い、という考え方ができます。
しかし、平均を見ると1905万円、中央値が800万円と、貯蓄を多く持っている方が多い反面、貯蓄がない方、少ない方も多いため、意外にもイメージよりも少なく感じるでしょう。
ただ、70歳代以上の方は現役世代よりも年金額が多いため、しっかりと生活ができている方も多いのです。
現役世代が老後に向けてできる対策
現役世代の方が同じように預貯金が多いかというと、そうではありません。
例えば、50歳代の夫婦でお子さんがいらっしゃる方は、教育資金の支払いもあるかもしれませんし、住宅ローンが残っている方もいるでしょう。
大変な時期かもしれませんが、できるだけ老後資金も同時に準備しましょう。有効な方法をご紹介します。
DC(企業方確定拠出年金)、iDeCo(個人型確定拠出年金)
老後資金を全く準備していなかったという方でも、公的年金の上乗せということで、勤務先にDCがあればそれを、なければiDeCoを始めてみると良いでしょう。
原則で65歳まで中途引き出しをしないということと、老後までに積み立てをしながら、積立時の所得税や住民税の節税効果を受けられるメリットがあります。
NISA(2024年から新NISA)
他にも預貯金で貯めていく方法もありますが、来年から新制度となるNISAは、これまでよりももっと使いやすくなります(【図表2】参照)。
年間で利用できる限度額や非課税で運用できる期間の制限もなくなりますので、毎月コツコツと積み立てることができます。老後に向けて貯蓄を増やしていきましょう。
iDeCoとNISAを使って毎月積み立てた場合の成果をシミュレーション
iDeCoやNISAなどで毎月5万円を積み立てた場合、仮に3%で運用できると下記のように増やせます。
●毎月5万円を3%で運用した場合
- 3年目・・・元本180万円、運用金額188万1000円(運用収益8万1000円)
- 6年目・・・元本360万円、運用金額393万9000円(運用収益33万9000円)
- 9年目・・・元本540万円、運用金額619万円(運用収益79万円)
- 12年目・・・元本720万円、運用金額865万4000円(運用収益145万4000円)
- 15年目・・・元本900万円、運用金額1134万9000円(運用収益234万9000円)
運用を早く始めることで、長期間運用することができます。
始めた頃には気づきませんが、運用収益の伸びは、運用期間が長くなることで増えていきます。
家族構成や他の資金もあるかと思いますが、今までに老後資金を準備していない方は、できるだけ早く準備しておくことをお勧めします。
他にも保険や債券などで持つこともできますが、日本の金利では大きく増やすことができません。
外貨建ての保険や債券であれば、日本よりも高金利で運用できます。
ただし、運用する国や発行体のリスクを考えることと、満期や償還時に現地の通貨で受け取れるかも確認しましょう。
受け取り時に現地通貨で受け取れれば、購入時(契約時)よりも円高になっていたとしても、持ち続けること、再運用した場合でも円安になるまで待つこともできます。
年金も意識する
貯蓄3000万円というのは大きな金額です。
一般的に今の70歳代以上の方は、現役世代よりも多くの収入を受け取っている方も多いでしょう。
老後の年金についても、70歳代以上の方は年金の計算方法が変わる前の期間が長いため、年金額が多い方もいらっしゃいますが、堅実に貯蓄をされている方も多くいらっしゃいます。
現役世代の方は現在の生活も大事ですが、将来のこともしっかり考える必要があります。
年金が「少ない」、「不安だ」という声はよく聞きます。
毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」、どこをみたら良いかわからないという声も聞きますが、50歳代の方には、今の働き方を60歳まで続けた時の年金額が記載されています。
その年金額で将来、生活できるかを考えてみると良いでしょう。
40歳代以下の方の「ねんきん定期便」には、今まで払い込んできた保険料での年金の額が記載されています。
【図表3】今後の年収が60歳まで続いた場合の年金額(※ねんきん定期便に記載されている金額にプラスしてください)3/3
出所:60歳までの老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額を計算し筆者作成
夏休みは老後に向けて考える時間も作ろう
一般に老後の生活費は公的年金だけでは足りないと言われていますし、現実的には預貯金を取り崩しながら、生活されている方も多いです。
ただし、運用しながら取り崩すほうが資金を長く持ち続けることができます。
安心して生活できる準備を目指し、この夏休みにじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
香月 和政