月日が流れるのは早いものですね。もう8月。今月は2023年度分の2回目の年金支給月です。
年金受給者にとっては当たり前のことでも、若い世代が知らないことは意外と多いかもしれません。
まず、年金は2ヶ月に1回偶数月に支給されることをご存じでしょうか。前年度より引き上げとなった2023年度の年金は、4月・5月分を6月に支給されました。今月15日の支給分は6月・7月分となります。
また、年金も現役世代の給与と同じように天引きされる税金があるという事を知らなかった…という方は少なくないようです。
年金生活になっても税金が天引きされると聞き驚かれたかもしれませんが、いざ年金受給が始まった時に「こんなに天引きされるの?」と驚くことがないよう、知っておくと良いかもしれません。
では実際に天引きされるものも含めて今の年金事情について確認していきたいと思います。
1.「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造について
最初に、日本の公的年金制度についておさらいしておきましょう。
日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造です。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 加入対象:原則20歳から60歳未満の日本に住む全ての方
- 保険料:一律(年度によって異なる)
- 年金額:2023年度満額(年額)79万5000円×調整率(※既裁定者:79万2600円)
※480ヶ月に未納期間がある場合は差し引かれます
1.2 2階部分:厚生年金
- 加入対象:主に会社員、公務員
- 保険料:報酬比例制(標準報酬月額に保険料率を乗じて決定)※事業所と折半
- 年金額:加入期間や納付保険料によって決定。国民年金に上乗せで支給
一般的に国民年金だけを受給する自営業やフリーランス、専業主婦(主夫)の方よりも、国民年金と厚生年金の両方を受け取れる会社員や公務員の方が老後の年金額は多くなります。
では、2023年度の新規裁定者(67歳以下)の国民年金満額(年額)79万5000円に対して、厚生年金の受給額はどれくらいなのか。今回の本題であるひと月15万円にフォーカスして確認していきましょう。