2023年7月21日に公表された「消費者物価指数(全国 2023年(令和5年)6月分)」を見ると、前年同月比で総合指数は3.3%の上昇となっています(出所:総務省統計局「全国(最新の月次結果の概要)」。インフレの加速によって家計の負担が増加し、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。

そのような状況の中、長期的な資産形成の重要性が高まっています。資産形成の主な手段として「預貯金」や「積立投資」などが挙げられますが、どれを選択すればよいか迷っている方もいるでしょう。

そこで今回は、預貯金または積立投資を30年間続けた場合、どのくらいの差が出るのかをシミュレーションしていきます。

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預貯金と積立投資の違いとは?

預貯金と積立投資の大きな違いは、元本保証の有無です。預貯金は元本が保証されているため、積み立てた金額が減ることはありません。

一方、積立投資の場合はリスクを伴うため、元本を割る可能性があります。

一見すると、「元本が保証されている預貯金を選んだほうが安心」と思うかもしれません。しかし、預金の利息はわずかしか付かないため、インフレによる物価高騰に対応できないことに注意が必要です。

一般的な預貯金の利息はどれくらい?

たとえば、メガバンク3行の普通預金金利は、年率0.001%※です(※ 出所:三井住友銀行「円預金金利」、三菱UFJ銀行「円預金金利」、みずほ銀行「円預金金利」)。

また、ネット銀行などは銀行によっては預金金利が高い傾向にありますが、それでも0.1%前後に留まります。物価の上昇率を考慮すれば、実際には損をしている(お金の価値が低下している)といえるでしょう。

仮に年率0.001%で100万円を預けた場合、1年間で10円しか利息が付きません。