先週の世界株式市場の動き

先進国市場が総じて堅調だった中、引き続き日本株の好調が際立った1週間

先週(2017年10月30日~11月3日)の世界の株式市場は、先進国市場が堅調な値動きとなった中で、引き続き日本株の高いパフォーマンスが際立ちました。特に、日経平均株価の上昇率が高くなっています。

  • 日経平均株価(日本)  +2.4%上昇
  • TOPIX(日本)  +1.3%上昇
  • NYダウ(米国)  +0.4%上昇
  • Nasdaq指数(米国)  +0.9%上昇
  • FTSE100(英国)  +0.7%上昇
  • DAX(ドイツ)  +2.0%上昇
  • 香港ハンセン指数(香港)  +0.6%上昇
  • 上海総合指数(中国)  ▲1.3%下落
  • ムンバイSensex(インド) +1.6%上昇
  • ボベスパ指数(ブラジル)  ▲2.7%下落

注:いずれも先週末(11月3日)と先々週末(10月27日)の終値比較。該当日に株式市場が休場の場合は、その直前営業日の終値。

先進国市場は好調に推移、一方で新興国市場はまだら模様

先週は、久しぶりに重要イベントが目白押しとなりましたが、先進国の株式市場は概ね好調に推移しました。

その中でも、日本株の上昇が目立っており、3週連続で高いパフォーマンスを示したことになります。また、欧州市場ではドイツ株が2週連続で大幅上昇となったのが目立ちました。

一方、新興国市場はまだら模様でしたが、中国とブラジルの下落が大きくなっており、とりわけ、ブラジル株の不振が注目を集めたようです。

金融相場から業績相場へ転じた後も日本株の好調が続く

日本では衆議院選挙が終わって2週間が経ちましたが、選挙後も株価上昇ペースに減速感が見えません。それどころか、日経平均株価の連騰記録が途切れたにもかかわらず、上昇ピッチは加速している感があります。

先週は企業の決算発表が本格化しましたが、好業績に対する市場のリアクションが非常に強かったのが特徴でした。また、事前期待を大きく下回った企業には容赦ない売りが浴びせられるなど、業績相場の様相を強めた週だったと言えましょう。

米国株も相次ぐ重要イベントをこなして上昇を維持

一方、次期FRB議長人事、アップル社の決算、雇用統計というビッグイベントが続いた米国市場は、終わってみれば緩やかな株価上昇を維持した形になりました。株価にはほぼ織り込み済みだったということなのでしょうか。

ただ、先週は取引時間中に急落する場面が何度か見られました。米国株は史上最高値が続いていますが、少し変調が出つつあるようです。

今週の世界株式市場の注目点

重要イベントが少ない中、トランプ大統領のアジア歴訪が焦点に

今週(11月6日~11月10日)は、重要イベントも少ない落ち着いた週になりそうです。ただ、唯一の重要イベントである米国トランプ大統領のアジア歴訪は要注目でしょう。また、日本市場では引き続き企業決算が大きなカギになると考えられます。

今週予定されている株式市場にインパクトを与えそうな主な予定は以下です。

  • 11月6日:トランプ大統領来日(5日)、日米首脳会談など(日本)
  • 11月7日:米韓首脳会談(韓国)
  • 11月8日:米中首脳会談(中国)
  • 11月9日:機械受注(9月分、10-12月分見通し、日本)

日程は現地時間。現時点での予定のため、変更になる可能性あり。

トランプ大統領のアジア歴訪では為替相場の動きに要注意

先週に重要イベントが相次いだ反動もあり、今週はイベントが少ない静かな週になると思われます。

ただ、トランプ大統領のアジア歴訪には注目です。一般的に、こうした大統領の外遊には周到な事前準備・調整が行われているため、サプライズは出ません。しかし、トランプ大統領の場合は、予定外のポロリ発言や不意打ち的なツイートの可能性もあり、目が離せません。

特に注意したいのが為替相場の動きです。確かに、各メディアの報道では、北朝鮮問題が大きな議題になるという論調です。しかし、トランプ大統領がアジア諸国に貿易収支改善を要求してくる可能性は十分あるでしょう。その際、現在のドル高に関するコメント、例えば“米ドルは高過ぎる”という示唆をするだけで、ドル安(=円高)が進む局面があり得ます。この場合、当然に日本株式市場にマイナス影響となりますから、注意が必要です。

日本は決算発表がピークに、ソフトバンクGが最大の注目点

米国の企業決算発表はピークを過ぎましたが、日本は今週がヤマ場です。ハイテク企業の決算は一段落しましたが、6日(月)のソフトバンクグループ(9984)、7日(火)のトヨタ自動車(7203)などが要注目となります。

特に、日経平均株価への寄与度が高いソフトバンクグループは、決算数字以外にも、傘下の携帯子会社の経営統合問題など、株価が大きく変動する要素がたくさんあります。その他にも重要企業の決算発表が相次ぐため、先週以上に気を抜けない週になるでしょう。

LIMO編集部