アドバンテストに生成AI技術がもたらす影響

前述のとおり、同社は、生成AIに必要とされる「半導体の検査(テスタ)装置メーカー」という重要な役割を担っている。

GPUのみならず、CPU、HBMなどの高性能メモリといった、複雑で高性能な生成AI用デバイス試験に必要となるテストプラットフォームをすべて保有している。
また、米エヌビディア社を筆頭に、強固なパートナーシップ体制も構築している。多様な新規市場参入企業とも協業を開始している。そのため、顧客基盤は強固と言える。

生成AI技術の社会実装はまだ始まったばかりである。
同社は引き続き、半導体サプライチェーン上で事業機会最大化のための投資を継続していく。
業績への影響がどのように出てくるのか注目である。

アドバンテストの配当

同社は、通期総還元性向50%以上を株主還元方針とし、配当については、1株当たり配当金半期50円、通期100円を最低額としている。
配当額を明らかにしていなかったが、2023年7月26日に、中間期末配当として65円(前期中間期末配当額も65円)を決定した。
減収減益ながらも、方針に従い株主への利益還元は行っていく。

アドバンテストの株価

2024年3月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年7月26日の終値は2万160円であった。年初来高値は2023年7月18日の2万2375円である。
同社は、2023年に過去最高値を更新している。
生成AIとの関係も含めて、今後どのように変動するか注視する必要がある。

参考資料

石川 貴康