株式会社アドバンテスト(6857)(以下「同社」という)が、2024年3月期第1四半期連結決算(対象期間:2023年4月1日~2023年6月30日)を発表した。
通期業績予想どおり、同社は第1四半期から前年同期比で減収減益となった。
スマートフォンやパソコン、テレビなど主要民生機器での需要減退が続き、データセンタ投資も減速したことで、半導体全体の需要が落ち込んだことが影響した。

同社は、今年に入り盛り上がっている生成AIの関連企業とされている。具体的には、生成AI
に使用されるGPU(Graphics Processing Unit、画像処理装置)の検査(テスタ)を担当している。半導体の最終仕上げという重要な工程を行う企業である。

アドバンテストの当第1四半期連結業績

同社の売上は海外向けがほとんどを占め、海外売上高比率は95.8%である。平均為替レートが、対ドルで前年同期比11円安の135円、対ユーロで前年同期比12円安の146円と、円安になったことで売上高にはプラスの環境にあった。
しかしながら、円安のプラス要因を吹き消す程の、半導体市場が悪く売上高は前年同期比▲25.5%となった。

営業利益については、売上高の減少相当額がそのままダイレクトに影響して減収となった。
四半期利益については、金融損益収益がグロスで前年同期比▲49億円となったことが要因である。為替の大幅変動で為替ヘッジにより影響が出てしまい減収となった。

アドバンテストのセグメント分析

売上高の69.6%を「半導体・部品テストシステム事業部門」が占めるため、同セグメントを取り上げる。

アドバンテストの半導体・部品テストシステム事業部門

セグメント売上高は半導体市場による影響を受けたことが要因であり、同社全体に対するものと同様である。
セグメント利益は、減収による影響は当然であるが、製品構成比(ミックス)が悪化したことで収益性が落ちることとなった。その結果、大幅減の前年同期比▲55.0%となっている。