年収1000万円以上の割合は全体の4.9%

まずは、年収1000万円以上の人が日本にどのくらいいるのか【図表1】で見ていきましょう。

国税庁の調査したデータによると、2021年の日本で1年を通じて勤務した給与所得者数は5270万人であり、年収が1000万円台の人は4.3%となっています。

年収600万円を超えたあたりから割合が一気に減少し、年収1000万円〜1500円以下になると、その割合は3.5%となります。

年収800万円〜1000万円以下の割合と比較すると、年収1000万円〜1500円以下の割合のほうが小さいことから、年収700万円から年収1000万円に到達するまでに壁が生じていることがうかがえます。

なお、年収の割合を男女別でみてみると、男性の1000万円〜1500万円の人の割合は5.4%であるのに対して、女性は0.8%という結果になりました(【図表2】参照)。

【図表2】

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」を参考に筆者作成

「年収1000万円超」の割合が全体で4.9%、男性で7.6%、女性で1.2%であり、年収1000万円以上クラスの割合は他の年収と比較して非常に少数派となっています。

上記の年収の割合調査のデータは「給与取得者の統計」であるため、個人事業主は含まれていません。

会社員として「年収1000万円以上」を目指し到達している人は、ほんの一握りであるとうかがえます。

年収1000万円以上の世帯はどのくらいいるのか

前章では、年収1000万円以上の人がどのくらいいるのかについて解説しましたが、「世帯年収」という観点ではどのくらい変化があるのでしょうか。

現代では、以前よりも共働きが主流となっているため、夫婦で働いて年収1000万円は目指しやすくなっています。

厚生労働省の調査データによると、世帯年収が1000万円超の割合は12.6%となっています。

年収1000万円超の人の割合が「4.9%」だったのに対して、世帯で見てみると「12.6%」となっており、割合が倍以上になっているのがわかります。

世帯でみると、年収1000万円以上の人は「約10世帯に1世帯」の割合であり、一人あたりの割合で見たときよりも少しイメージはしやすくなったかと思います。

「約10世帯に1世帯」と聞くと、実は身近に高給取りの世帯がいるかもしれないと思ってしまいますが、年収1000万円でも決して生活が楽なわけではありません。

次章で、「高所得貧乏」が多い理由について詳しく解説していきます。