三菱自動車工業株式会社(7211)(以下「同社」という)が、2024年3月期第1四半期連結決算(対象期間:2023年4月1日~2023年6月30日)を発表した。

売上高が前年同期比+20%、営業利益が前年同期比+47%の452億円となった。

販売台数は前年同期比で減少となった一方、車種構成の変化や円安による影響が営業利益の増加に寄与した。

また、通期予想も上方修正し、営業利益は前回予想+100億円の1700億円とした。販売台数は据え置いたが、対ドル・対ユーロともに円安方向に振れるとして前回予想より増収増益と発表している。

三菱自動車の販路別売上高

同社にとって「アセアン」は重要市場であり、販売台数の多さからもよく分かる。

また、営業利益に与えた金額が最大の「北米」、バランス良く好調な「日本」。

以下では、3地域について見る。

三菱自動車のアセアン市場

インフレ・高止まりしている金利の影響により、アセアンでは自動車需要が減少傾向にある。そのなか、フィリピンでは前年同期比+9000台となっており、外部環境の変化を注視しながらも、新型車導入などにより質・量の両側面から改善を図る。

2023年7月26日には、タイで新型トライトンを世界初披露した。また、2023年8月10日~20日に開催予定の「第30回インドネシア国際オートショー」にて、新型コンパクトSUVの世界初披露を予定している。

上記のように同社は、アセアンを今後も重要市場として、攻めの姿勢で取り組んでいく。

三菱自動車の北米市場

前年同期比で、半導体不足の解消など車両の供給体制が改善された。また、フリート(レンタカー会社に買戻権付きで販売すること)需要増加もあり、北米での総需要は大きく回復している。

とくに、「アウトランダー」が好調で、当第1四半期の北米販売台数のうち、「アウトランダー」は52.6%を占める。

市場競争の変化を注視しつつも、好調な販売を維持していく。

三菱自動車の日本市場

前年同期比で、販売台数は前年同期比+17%の2万1000台まで増加しており、営業利益に与える影響も+40億円と大きい。そのため、日本市場は回復基調にあると言える。

軽自動車の部品供給不足が解消しないことがボトルネックとなっているため、今後は体制・基盤の強化を進めていくことになる。