3.2 厚生年金月額22万円の手取り2.【所得税】
上記で国民健康保険料を求める際に、夫と妻それぞれの所得金額を求めました。夫が94万円、妻が0円(非課税)です。
夫の年金所得額が94万円なので、そこから控除項目を差し引き課税所得金額を求めます。
- 基礎控除:48万円
- 配偶者控除:38万円
- 社会保険料控除:国民健康保険料の12万200円
これらの控除項目の合計額は98万200円となり、年金所得額はこれよりも下回っているため、課税所得金額は0円となり所得税は非課税です。
3.3 年金月額22万円の手取り3.【住民税】
東京都主税局によると、東京23区内に住んでいる方で同一生計配偶者または扶養親族がいる場合、前年の合計所得金額が以下の計算式の金額以下である場合は住民税が非課税になります。
35万円×(本人・配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円
このモデルケースでは、101万円((35万円×2人)+31万円)となるので、夫の合計所得金額94万円を上回っているため、住民税も非課税になります。
3.4 年金月額22万円の手取り4.【手取り額を計算】
夫婦の年金受給額は、年額で264万円です。そこから、これまで計算してきた項目を天引きすると、以下のように計算できます。
手取り額=年金額264万円-(国民健康保険料12万200円+所得税0円+住民税0円)=251万9800円
天引きされるものは国民健康保険料のみで、251万9800円を受給できることになります。
4. 年金振込通知書で確認を
2023年度において標準夫婦は月22万円の厚生年金を受給できるとされていますが、それは額面金額であり、実際には社会保険料や税金が天引きされるので手取り額はその分少なくなります。
「年金振込通知書」や「ねんきんネット」で、ご自身の年金から実際に何がどのくらい天引きされるのかを確認しておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 大田区ホームページ「令和5年度 国民健康保険料の試算」
- 東京都主税局「税金の種類 個人住民税」
木内 菜穂子