2023年度の厚生年金は2022年度よりも増額され、標準夫婦においては月22万4000円程が受給できます。まだまだ物価高が続く中、少しでも受給額が増えると家計が助かりますね。

しかし、この金額は社会保険料や税金などが引かれる前の金額で、実際の手取り額は減額されたものになります。では、手取りはいくらになるのでしょうか。

この記事では、年金から天引きされるものを解説するとともに、標準夫婦が実際に受け取れる手取り額を計算していきます。

1.【8月に支給】2023年度の標準夫婦・厚生年金月額約22万4000円

2023年4月分(6月支給開始)からの標準夫婦(※)が受け取れる厚生年金額は22万4482円となっており、2022年度よりも4889円増額されています。1ヵ月あたり4889円が増額されるので、1年間では約5万8600円の増額です。

出所:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

※標準夫婦とは、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間勤務した夫(妻)と専業主婦(主夫)をモデルケースとしており、厚生年金と国民年金(満額)を受け取る夫婦としています。

しかし、厚生年金が増額されたとはいえ、その増額率は物価上昇率よりも下回っているため、実質的には目減りしているとの見方もあります。

さらに、支給額の22万4482円からは社会保険料や税金などが天引きされるため、実際の手取り額は額面よりも少なくなります。