4. 老後に向けた資産形成5選
年金だけで暮らす高齢者は44.0%だけです。年金以外の資産や収入源が大切である一方、「2000万円」という数字は全員にあてはまらないこともわかりました。
個別に不足額を算出した結果、どのように老後に向けた資産形成を進めていけばいいのでしょうか。ここでは5つの方法を見ていきます。
4.1 厚生年金の受給額をあげる
まずはできるだけ厚生年金額をアップさせる方法を考えましょう。
厚生年金の受給額は収入だけでなく加入期間もポイントになるため、厚生年金制度を導入している企業に属する期間を延ばすことが有効です。
扶養内で働くパートの方は、目先の手取りが減るものの将来の厚生年金が増えるメリットがあります。一度厚生年金への加入を検討してみましょう。
4.2 国民年金の受給額をあげる
もし過去に国民年金保険料の未納分がある場合、追納できるか確認しましょう。学生の間に猶予を受けていた方も、一定の期間内であれば追納できます。
また自営業等で国民年金しか無い方は、国民年金基金や付加保険料の納付を検討してみましょう。
4.3 繰下げ受給をする
厚生年金も国民年金も、66歳より後に受給開始すれば受給額を増額できます。これを年金の繰下げ受給といいます。
ただし、年金受給までは収入がないので働き続けることが必要です。税金や保険料も負担が増えるため、慎重に検討しましょう。
4.4 お金に働いてもらう
こつこつ預貯金を進めることも大事ですが、毎月の積立貯金を資産運用に回し、お金に働いてもらうという方法もあります。運用成果によっては利息が利息を呼ぶ複利の効果が期待でき、預貯金よりお金を増やせるでしょう。
ただし、運用にはリスクがつきものです。まずは預貯金をしっかり行い、余裕資金でスタートさせることが大切です。
4.5 独自の年金を作る
公的年金以外に、自分で年金を作る方法もあります。iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)であれば、今の税負担を軽減させながら備えることも可能です。
運用に苦手意識がある場合、個人年金保険を選ぶ方もいます。
不動産を購入し、家賃収入を得る方もいますね。これらの方法にはそれぞれリスクもあるため、しっかり情報収集することが不可欠です。
5. 老後を豊かにするために
老後2000万円問題に衝撃を受けた方も多いですが、2000万円という数字は誰にとってもあてはまる数字というわけではありません。
落ち着いて、それぞれが老後のシミュレーションをすることが第一歩になるでしょう。
ただし、年金だけで暮らせる高齢者は多くありません。老後を豊かにできるかどうかは、現役時代のうちにどれだけ準備できたかにかかります。
情報収集を行い、将来に備えておきましょう。
参考資料
太田 彩子