2.【つみたてNISA】インデックス投資信託の選び方
インデックス投資信託だけでも現時点で207本もの種類があります。さらに、これからまだまだ増えていくと考えられます。
数あるインデックス投資信託の中から、銘柄を選ぶ際には何を見ればよいのでしょうか。
ここからは、つみたてNISAを利用して投資する際の「インデックス投資信託」選びのポイントを4つご紹介していきます。
2.1【つみたてNISA】インデックス投資信託の選び方① 信託報酬が低いものを選ぶ
投資信託は、保有中に投資信託の運用や管理などにかかる「信託報酬」という手数料がかかります。
金融庁によると、つみたてNISAのインデックス投資信託の信託報酬は以下のように定められています。
- 国内資産を対象とするもの:信託報酬0.5%以下(税抜き)
- 海外資産を対象とするもの:信託報酬0.75%以下(税抜き)
インデックス投資信託は、ベンチマークが同じ商品であれば、値動きに差はほとんど現れません。
しかし、信託報酬は各運用会社が定めているため、インデックス投資信託ごとに異なります。
そのため、信託報酬が高い投資信託ほど、運用中の手数料が運用会社に引かれて将来の利益は少なくなります。
たとえば、信託報酬が0.5%の投資信託の年間の運用成績が0.5%だった場合、単純計算だと「利益はゼロ」です。
信託報酬は、毎日差し引かれているため、目には見えづらい手数料ですが、コストとして運用成果に影響します。
指数に連動するインデックス投信を選ぶ際には、信託報酬を比較して安いものを選ぶことが商品を選ぶポイントとなるでしょう。
2.2【つみたてNISA】インデックス投資信託の選び方②保守的すぎないものを選ぶ
「ハイリスク・ハイリターン」、「ローリスク・ローリターン」という言葉にあるように、資産運用は、リスク(運用中の値動き)とリターン(将来の利益)が背中合わせになっています。
例えば、株式の割合が大きいと将来のリターンは期待できますが、リスクも大きくなります。一方、国内債券の割合が大きいと、リスクは低く抑えられますが、大きなリターンは期待できません。
つみたてNISAは、ある程度まとまった資金を一括で投資する場合とは違って、投資のタイミングを「毎月」に分散することでリスク分散の効果も得られます。
この仕組みも考慮した上で銘柄を選ぶ必要があるでしょう。
特に投資初心者は「安定性」を重視して保守的な銘柄を好む傾向にありますが、「つみたてNISA」のリスク分散効果を踏まえると期待リターンが少し高いものも選択肢として上がってくると考えられます。
ただし、10年以内に使うことが決まっている資金での短期運用や、値動きがとにかく心配な方は、保守的なインデックス投資信託でも良いかもしれません。
このように、保守的なインデックス投資信託が「悪い」とは一概には言えません。まずは、運用できる期間や目的を決めることで自分に必要な投資信託なとかを判断しましょう。
2.3【つみたてNISA】インデックス投資信託の選び方③「すすめられただけ」で選ばない
動画サイトやSNS、ネットなどで紹介されている「おすすめ銘柄」をそのまま鵜呑みにしないよう注意しましょう。
いま現在、運用成績がいいものを紹介しているだけというケースも多々あります。
あるいは、閲覧数を上げて収益を得るために、インパクト強い銘柄を紹介しているだけかもしれません。
また、資産運用は、人によってリスク許容度がまったく異なります。
おすすめ銘柄に投資したものの、自分のリスク許容度をはるかに超える値動きの大きい銘柄だった場合、投資したこと自体を後悔することになるかもしれません。
なんとなく選んでなんとなく始めてなんとなく解約すると、損する可能性は充分にあります。
大切な資産の運用は自分でしっかり考えてから始めるようにしましょう。
2.4【つみたてNISA】インデックス投資信託の選び方④理解できないものは選ばない
投資信託の投資先は名前を見ただけで中身がわかるものもあれば、わからないものもあります。
例えば、最近では「ターゲット・イヤー型」の投資信託が増えています。投資信託の名前に「2030」や「2040」など、数字が入っているものを見かけたことはありませんか?
この数字は、ターゲットの年を指します。ターゲットの年を退職年齢などに合わせるケースが多いと思われます。
ターゲットの年が近づくと、株式や債券などの配分比率を調整する仕組みを持つ投資信託です。
運用開始直後は、株式の比率を高めて積極的に、ターゲットの年が近づくと債券の比率を高めて安定的に、というように調整してくれるのです。
この意味を理解せず、退職年齢や資金を使う時期に見合っていない投資信託を選ぶと、リスクのとりすぎや、値動きが小さすぎて、順調に推移しても自分の目標金額に届かないというケースが発生します。
投資信託の投資先はしっかり確認してから投資を始めましょう。
3. 自分に合うかどうかが最大のポイント
つみたてNISAは非課税の制度ですが、実際には投資信託であることに変わりはなく、リスクも投資信託と全く同じ、元本保証のない投資の一貫です。
自分がどれくらいの利益を求め、どれくらいの損失までなら許容できるのか。自分の投資意向に合うものを選ぶことが大切です。
ご紹介してきたポイントを参考に、ご自身に合った投資先をみつけてくださいね。
参考資料
足立 祐一