3. マンションの法律「区分所有法」の主な改正内容
同法の改正内容として中間試案は以下のことを記す。
- 決議要件を緩和して多数決割合を引き下げる
- 所在不明者の問題を多角的に改善する
- 再生(リノベーション)を促進する
- 被災した建物は復旧・復興の観点から決議要件を引き下げる
この中でもとりわけ興味深いのが決議要件の緩和である。
複数の案を提示しつつも、決議要件を「過半数」とするものが散見される。
パブリック・コメントを経て、どのように議論が進んでいくのか注視したい。
4. 直近の分譲マンション価格の状況
最後に、株式会社不動産経済研究所が、2023年6月19日に発表した不動産動向(2023年5月)を見る。
- 新築分譲マンションの発売戸数は、首都圏と近畿圏ともに前年同月比で減少
- 首都圏の平均1戸あたり平均価格は、8068万円と前年同月比+32.5%
- 近畿圏の1戸あたり平均価格は 5005万円と前年同月比前月比+3.1%
参考資料
- e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律
- 法務省 法制審議会区分所有法制部会「区分所有法制の改正に関する中間試案」
- 法務省 法制審議会区分所有法制部会「区分所有法制の改正に関する中間試案の補足説明」
- 法務省 法制審議会区分所有法制部会「区分所有法制の見直し」
- 法務省 法制審議会区分所有法制部会第9回会議(令和5年6月8日開催)
- 法務省 法制審議会-区分所有法制部会
- 電子政府の総合窓口(e-Gov) 区分所有法制の改正に関する中間試案に関する意見募集
- 国土交通省 築後30、40、50年以上の分譲マンション数(2021年末現在/2022年6月28日更新)
- 国土交通省 マンション総合調査の調査結果からみたマンション居住と管理の状況
- 株式会社不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向2023年5月
- 株式会社不動産経済研究所 近畿圏 新築分譲マンション市場動向2023年5月
石川 貴康