先週の世界株式市場の動き

株価横這いが多い中で、日米のパフォーマンスが突出して好調だった1週間

先週(2017年10月16日~10月20日)の世界の株式市場は、全体的に横這いの動きが多い中、日本と米国の株価上昇が際立ちました。特に、最高値更新が続く米国NYダウが、連日の大幅上昇となっています。

  • 日経平均株価(日本)  +1.4%上昇
  • TOPIX(日本)  +1.3%上昇
  • NYダウ(米国)  +2.0%上昇
  • Nasdaq指数(米国)  +0.4%上昇
  • FTSE100(英国)  ▲0.2%下落
  • DAX(ドイツ)  ▲0.0%下落
  • 香港ハンセン指数(香港)  +0.0%上昇
  • 上海総合指数(中国)  ▲0.4%下落
  • ムンバイSensex(インド) ▲0.1%下落
  • ボベスパ指数(ブラジル)  ▲0.8%下落

注:いずれも先週末(10月20日)と先々週末(10月13日)の終値比較。該当日に株式市場が休場の場合は、その直前営業日の終値。

懸念された北朝鮮リスクは発生せず、多くの国で株価は横這い

先週は、中国の共産党大会、及び、その開催後における北朝鮮の軍事挑発行動が注目されました。しかし、北朝鮮の軍事挑発は何も起きず、また、党大会の内容もサプライズがないという結果でした。

こうした背景もあり、先進国や新興国の株式市場は、概ね先々週末の終値を挟む攻防が続き、概ね横這いで終わるケースが多かったようです。

新興国の一部でやや下落幅が大きくなりましたが、特段大きな動きとは言えず、懸念するものではないと考えられます。

日本株の上昇が止まらない、日経平均株価は歴代トップに並ぶ14連騰

その中にあって、日本と米国における株価上昇がひと際目立ったと言えましょう。

まず、日本株式市場は、先々週までの好調な流れを引き継ぎ、先週も連日の上昇となりました。日経平均株価は週末20日(金)も上昇し、ついに歴代第1位の14連騰の記録に並びました。これは、1960年12月~1961年1月にかけて記録して以来、約57年ぶりの大記録となります。

いわゆる“選挙相場”が牽引役となったことに加え、10月末から決算発表が本格化することを睨んだ期待感の高まりもあったと見られます。この連騰記録がどこまで続くのか注目が集まるでしょう。

NYダウは節目の23,000ドルを苦も無くクリアーして上昇中

その日本株以上に好調だったのが米国株、とりわけ、NYダウでした。NYダウは17日に史上初めて23,000ドルを付けた後も上昇し続け、週末の終値は6日続伸となって既に23,329ドルに達しています。Nasdaq指数はやや鈍い動きとなっているのと対照的と言えます。

歴史的なブラックマンデーから30年が経過した19日も上昇したことは、象徴的な出来事と見る向きもあるようです。日経平均株価とともに、この連騰記録がいつまで続くのか注目です。

今週の世界株式市場の注目点

日本と米国を中心に決算発表が本格化、企業収益への関心高まる週に

今週(10月23日~10月27日)は、大きなイベントが乏しい中、日米を中心とした企業収益に注目があつまりそうです。また、衆議院選挙の結果を受けての日本株に対する関心が一層高まる可能性があります。

今週予定されている株式市場にインパクトを与えそうな主な予定は以下です。

  • 10月22日:衆議院選挙投開票(日本)
  • 10月24日:東芝の臨時株主総会(日本)
  • 10月25日:耐久財受注と新築住宅販売(いずれも9月分、米国)
  • 10月25~26日:東京モーターショー(プレスデー、日本)
  • 10月26日:ECB政策理事会(欧州)
  • 10月27日:GDP一次速報(7-9月期、米国)

日程は現地時間。現時点での予定のため、変更になる可能性あり。

日米で注目企業の決算発表が本格化、企業収益が株価上昇を支えるか

今週は政治経済に関する大きなイベントが乏しく、重要な経済指標の発表も少なくなっています。逆にその分、決算発表を機に企業収益への注目度が集まると予想されます。

特に、株価上昇が続く米国と日本においては、主力注目企業の決算発表が予定されており、その内容を受けての株価動向が焦点となりましょう。実際、先週の米国ではIBMが市場予想を大きく上回る好決算を発表したことで、この1社のみがNYダウを大きく引き上げるという事象がありました。また、日本でも先々週に、決算発表後のファーストリティリング(9983)1社で日経平均株価を上昇させたことは、まだ記憶に新しいと言えます。

なお、今週の日本の企業決算では、23日の安川電機(6506)、24日の日本電産(6594)、25日のファナック(6954)辺りが注目です。

まだ何も解決していない北朝鮮リスク、唐突な再発に注意

一方で、すっかり沈静化した感がある北朝鮮リスクの再燃にも注意が必要です。基本的には、米国と北朝鮮の軍事緊張の激化は何も変わっていません。金融市場に大きなリスクがないと見られている現在だからこそ、改めて留意しておくべきでしょう。

また、北朝鮮リスク程ではありませんが、スペインのカタルーニャ州独立問題にも目を向けておくべきかもしれません。

こうした企業収益や地政学リスクを反映して、世界の株式市場がどう動くのか、とりわけ、連騰記録が続く日本の株式市場と、最高値更新が続く米国の株式市場に大きな注目が集まると考えられます。

LIMO編集部