老後の年金。若い世代の方にとっては30年、40年も先の話ですが、将来受け取る年金額は、現役時代の働き方や年収により決まるため、その仕組みや現状を「いま」だからこそ知っておく必要があります。
本記事では、公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みについておさらいし、いまのシニア世代の年金受給額・生活費より、老後の暮らしぶりをのぞいていきます。
現役世代のいま、老後に向けて何が必要かを考えるきっかけにしていただければと思います。
1. 【日本の公的年金制度】「厚生年金・国民年金」の仕組
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。
「国民年金」か「厚生年金」かで老後に受け取る年金額が大きく違ってきますので、自分がどちらに該当するのか、そしてどのような制度なのかをここで確認しておきましょう。
1.1 1階部分「国民年金」
「国民年金」は、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入対象となります。
自営業や専業主婦・専業主夫の方は、40年間(480カ月)国民年金保険料を納めることで、将来、満額の国民年金を受け取ることができます。保険料は収入の有無や年収に関係なく、皆一律です。
ちなみに2023年度の保険料は、ひと月あたり1万6520円、新規裁定者(67歳以下)の国民年金は満額79万5000円(年額)です。
1.2 2階部分「厚生年金」
「厚生年金」は、主に会社員や公務員の方が加入対象となります。厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与に所定の率を乗じて決定されるため、収入が高い人ほど保険料が高くなる仕組みです(上限あり)。
将来受け取る年金額は、納付保険料や加入期間によって決まるため、現役時代の働き方や収入が大きく影響します。