3. 国民年金・厚生年金の平均受給額
では、2022年12月に公表された厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、最新の年金受給額についてみてみましょう。
ここで確認する平均受給額は、天引き前のものとなりますのでご注意ください。
まずは、1階部分といわれる「国民年金」について確認してみます。
3.1 国民年金の平均受給額(月額)
- 《全体平均年金月額》5万6368円
- 《男性平均年金月額》5万9013円
- 《女性平均年金月額》5万4346円
国民年金は、男女間による平均年収にはほとんど差がないことがわかります。では、受給額ごとの人数分布はどうなっているでしょうか。
《国民年金の受給額/1万円ごとの人数分布》
- 1万円未満:7万27人
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人
- 5万円以上~6万円未満:791万730人
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
- 7万円以上~:187万2466人
ボリュームゾーンは「6万円以上7万円未満」です。2023年度の67歳以下新規裁定者の受給額が満額6万6250円(月額)ですので、多くの方が満額に近い国民年金を受給していることが見てとれますね。
3.2 厚生年金の平均受給額(月額)
続いて、2階部分といわれる「厚生年金」についても確認してみます。
- 《全体平均年金月額》14万3965円
- 《男性平均年金月額》16万3380円
- 《女性平均年金月額》10万4686円
※国民年金の金額も含む
《厚生年金の受給額/1万円ごとの人数分布》
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
厚生年金は男女差が大きく開いたことに加え、受給額にかなりバラつきがあることがわかりました。先述したとおり、厚生年金は現役時代の収入や加入期間により保険料・受給額が決定します。
女性の受給額が男性より6万円ほど低くなっていますね。これは、ライフイベントによる働き方の違いによるものが大きく影響していると考えられます。
近年は、結婚や出産後も働く女性が多くなっており、少しずつ男女差は縮まっていくのではないでしょうか。
4. まとめにかえて
決して十分とはいえない年金から、さらに税金や保険料などが天引きされることがわかりました。
ここ最近の物価上昇を見ていると、これまで以上に、年金だけに頼らない老後の資金づくりが重要だと感じてしまいますよね。
まずは、どういった方法があり、自分に合っている手段を探すところから始めてみましょう。
参考資料
荻野 樹