投資信託は資金運用をプロにおまかせできる投資商品です。
初心者や忙しい方でも取り組みやすいことから興味を持っている方も多いでしょう。
今回は投資信託の利益の仕組みやリターンの大きさを解説します。
この記事を読んでわかること
- 投資信託の概要
- 投資信託の利益のしくみ
- 投資信託のリターンの大きさ
投資信託とは
投資信託とはプロに資金運用をおまかせできる投資商品です。
2023年6月現在で約6000種類の商品があり、それぞれ投資方針や主要投資資産・投資地域などが異なります。
投資家は自らの方針に合った商品を選んで購入することで、その後の運用をプロにおまかせできるのです。
その代わり、投資信託は購入時(購入時手数料)、運用中(信託報酬)、解約時(信託財産留保額)にそれぞれ手数料がかかります。
特に信託報酬は商品ごとに年率0.2%や0.5%といった形で設定されており、当該商品の運用額に対して毎日かかってくるコストとなります。
逆に購入時手数料と信託財産留保額については無料としている商品が珍しくありません。
投資信託のメリットとデメリット
ここでは投資信託のメリット・デメリットを紹介します。
まずは代表的なメリットを見ていきましょう。
- 少額からスタートできる
- 忙しい人でも始めやすい
投資信託は月100円などの少額からスタートできることから、初心者が投資に慣れる意味でもおすすめです。
また、プロに資金運用を任せられるので、株式投資のように毎日株価をチェックするような手間も発生しません。そのため、忙しい人でも始めやすいでしょう。
一方、投資信託のデメリットは手数料がかかることです。
株式投資は取引の内容によっては売買にかかる一切のコストを無料にすることもできるのに対し、投資信託は多くの商品で信託報酬がかかります。
年率0.3%のような一見安いコストも、大きな額を運用すればするほど、また長期で運用するほど馬鹿にならないものとなっていきます。
投資信託の利益のしくみ
投資信託の利益には以下の2種類があります。
- 譲渡益
- 分配金
譲渡益とは、投資信託を購入当初よりも高い価格の時に解約することで得られる売買差益のことです。
投資信託の価格(基準価額)は、その商品に集まっているお金が運用によって増えるほどに値上がりします。
また、分配金とは、運用会社が投資家に還元する利益のことです。
ただし、分配金を配ると、投資信託の価格は値下がりします(運用によって増えたお金が分配によって減るため)。
そのため、積極的に分配金を配らないタイプの商品も多数あります。
投資信託から定期収入を得たい人は「分配金あり」の投資信託を選ぶと良いでしょう。
一方、後述する複利効果を活かして資産を効率的に大きくして欲しいと望む方には「分配金なし」の投資信託がおすすめです。
各投資信託の分配金の実績はマンスリーレポートで確認できます(マンスリーレポートは証券会社の公式サイトなどで確認できます)。
その中にある「設定来分配金」の項目が0円のような投資信託は、積極的に分配金を配らない「分配金なし」の商品である可能性が高いと言えるでしょう。
投資信託のリターンはどれくらい?
投資信託の平均利回りは3%~10%と言われています(3年~5年運用した場合)。
つまり100万円を運用した場合の翌年の利益は、概ね3~10万円ということです。
この数値を見て少ないと思われる方も多いかもしれません。
しかし、長期で運用するほど利益の額が大きくなっていく複利効果を考慮すれば、決して少なくないリターンであることがわかるはずです。
複利効果とは
複利効果とは、元本(元手)から生まれた利益を再投資して運用することで、利益と元本が相互に大きくなり続ける効果のことです。
つまり最初に100万円で運用を始めたからといって、毎年の利益が3~10万円であるということにはならないのです。
例えば、1年目に100万円を10%の利回りで運用できれば、資産は110万円に増えます。そして、仮に2年目も10%で運用できれば、その年の利益は110万円の10%、つまり11万円となるのです。前年よりも1万円利益額が大きくなっています。
投資信託を運用する際は長期投資を意識しましょう。
投資信託のリターンには約20%の税金がかかる
投資信託の利益には約20%の税金がかかります。
ただし、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を利用して運用することで税の免除を受けられます。
投資信託を始めるのであれば、あわせてNISAやiDeCoの活用も検討しましょう。
投資信託のやり方は?
投資信託を始めるには3つのステップが必要です。
- STEP1. 証券口座を開設する
- STEP2. 運用する投資信託を決める
- STEP3. 投資信託を購入する
ここではそれぞれのステップを詳しく解説していきます。
STEP1. 証券口座を開設する
投資信託を始めるなら、まずは証券口座が必要です。
証券口座は証券会社や銀行などで提供されています。
後ほど、投資信託を始めるのにおすすめの証券会社を紹介しますので、開設する口座に迷ったらぜひ参考にしてください。
ワンポイント
投資信託の商品ラインナップは金融機関によって異なります。運用したい投資信託が既に決まっている場合等には注意が必要です。
STEP2. 運用する投資信託を決める
証券口座を開設した後は投資信託を購入します。
運用する商品は自分の投資方針に合ったものを選びましょう。
運用する投資信託はどうやって選べばいい?
金融機関によって投資信託のラインナップは異なるものの、なかにはSBI証券のように2000本以上の商品をラインナップしている証券会社もあります。
豊富な商品ラインナップから運用商品を選ぶ場合は、公式サイトのランキングを参考に選ぶのも1つの手です。
SBI証券でも、投資信託の「販売金額人気ランキング」を用意しているので、運用商品選びの参考にすると良いでしょう。
初心者におすすめの投資信託は?
投資初心者には全世界株式のインデックスファンドがおすすめです。
全世界株式インデックスファンドは世界の株式市場の動向を示す株価指数に連動した値動きを目指す投資信託です。
世界中の株式に分散投資することから、1つの国や銘柄に投資先が集中しない安定運用が期待できます。
また、市場平均に連動した投資成果を目指すインデックス運用のため、かかるコストが低いこともメリットの1つです。
全世界株式インデックスファンドのなかでは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や、楽天投信投資顧問の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」が人気となっています。
STEP3. 投資信託を購入する
投資信託の購入方法は2種類あります。
1つは金額や口数(投資信託の単位)を指定して購入する一括投資。もう1つは、購入頻度と金額を設定する積立購入です。
積立購入は毎月100円など、一定の頻度と金額で投資信託を自動購入していく運用スタイルです。
毎月の購入処理は銀行口座引き落としなどの形で行われます。
ワンポイント
金融機関によっては積立投資の購入処理としてカード決済を選択できます。購入金額に応じたポイントがたまるなどオトクなメリットがあるので、積立投資を行う際はぜひ検討しましょう。
投資信託を始めるのにおすすめの証券会社2選
投資信託の運用や株式投資を始めるのであれば、まずは証券口座の開設が必要となります。
ここでは投資を始めたい方向けに、おすすめの証券会社を2社ピックアップして紹介します。
いずれも豊富な投資信託&つみたてNISAラインナップ、主要ネット証券最安水準の手数料などが魅力の人気ネット証券です。
※見出し横の★マークはおすすめ度を表しています。参考にしてください。
1. SBI証券【★★★★★】
基本情報
SBI証券は、2023年中に国内株の手数料無料化を目指しており、コスト意識が高い人であれば注目必須の証券会社です。
国内株はもちろん、米国株をはじめ世界9カ国の銘柄に投資できます。米国株の取扱銘柄数は5600銘柄超で主要ネット証券最高水準(2023年1月30日時点)。
国内株は0円から取引可能であり、IPO取り扱い銘柄数も主要ネット証券の中ではダントツの実績を誇っています(主要ネット証券とはSBI・楽天・松井・マネックス・auカブコムの5社)。
また、投資信託のサービスも充実しており、保有額の最大0.25%がPontaポイントやTポイントとして還元されるほか、投資信託の購入には「Tポイント」「Pontaポイント」を1ポイント1円として利用できるので、少額から投資したい方にも最適です。
投資信託の購入に三井住友カードを利用すれば、最大5%のポイント還元が受けられ、たまったVポイントは1ポイント1円で投資信託の買付に利用できるほか、景品との交換やキャッシュバックサービスにも使えます。
おすすめポイント
- 1日100万円までの取引なら手数料無料(国内株)
- 投資信託の保有でTポイントやdポイントがたまる
- 三井住友カードの投信クレカ積立で最大5.0%のVポイントがたまる
- IPO引受社数NO.1(2022年3月通期)
- 充実の米国株&投資信託ラインナップ
2. 楽天証券【★★★★】
<基本情報>
楽天証券は900万口座の開設実績を誇る日本屈指の証券会社です。
楽天カードを使って投信積立を行うと、ポイント還元率最大1%で楽天ポイントが貯まるほか、投資信託の購入にも楽天ポイントを利用できます。
そのため普段から楽天ポイントを貯めている方におすすめのネット証券会社です。
また、楽天証券と楽天銀行を連携するマネーブリッジを利用すれば、楽天銀行の普通預金金利が最大0.1%になるのも魅力的。株の購入時には、証券口座の不足分が楽天銀行の普通預金残高から自動入金される自動入出金(スイープ)サービスも便利です。
おすすめポイント
- 1日100万円までの取引なら手数料無料(国内株)
- 投資信託の保有で楽天ポイントがたまる
- 楽天カードで投資信託を購入すると楽天ポイントがたまる
- 充実のつみたてNISAラインナップ
- 楽天銀行との連携で普通預金金利が0.1%にアップ
参考資料
まとめ
- 投資信託の利益は譲渡益と分配金の2種類
- 平均利回りは3%~10%(3年~5年運用した場合)
- 投資信託を始めるには証券口座の開設が必要。おすすめはSBI証券と楽天証券
MeChoice編集部