配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。

株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。

よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。

今回はリクルートホールディングス(6098)について、配当金やと株価をあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン※」を確認します。

※株式分割の影響は、株価や配当金、株式数など全て遡及修正して株価を調整しています。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。

1. リクルートホールディングス(6098)の配当金のリターンはいくらか

リクルートホールディングスの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当」と「2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。

出所:株式会社リクルートホールディングス 2023年3月期 決算短信[IFRS](連結)

なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。

今回の検証では、以下のような想定となります。

  • 株式の取得日:2022年626
  • 株式の取得価格:4112円(取得日の終値)
  • 2023年3月期・中間配当:11円
  • 2023年3月期・期末配当:11円
  • 100株ベースの配当金のリターン:2200円

また、リクルートホールディングスには株主優待制度は設けられていません。

そのため、優待のリターンは0円です。

2. リクルートホールディングスの株価変動リターンはいくらか

次に、株価変動によるリターンを計算します。

  • 株式の取得日:2022年626
  • 株式の取得価格:4112円(取得日の終値)
  • 取得から1年後の日付:2023年626
  • 1年後の株価の終値:4465
  • 100株ベースの株価変動によるリターン:+3万5300円

3. リクルートホールディングスの株式投資のトータル・リターンはいくらか

そして最後に、トータル・リターンを計算します。

  • 配当金のリターン:2200円
  • 株主優待のリターン:0円
  • 株価変動によるリターン:+3万5300円
  • トータル・リターン(金額ベース):+3万7500円
  • トータル・リターン(%ベース):+9.1

トータル・リターンは金額ベースで+3万7500円でした。

4. リクルートホールディングスの配当金の推移を確認

リクルートホールディングスの株式の年間リターンは+9.1%でした。

最後にリクルートホールディングスの配当推移を確認しましょう。

出所:株式会社リクルートホールディングス 株主還元(配当状況)

配当金・株主優待・株価とそれぞれ分解して株式のリターンを確認すると、どの要素がリターンに影響を与えているか一目瞭然となります。

配当金や株主優待を目的に長期視点で投資した場合でも、株価水準を確認して、株式全体としてのリターンも把握しておきましょう。

参考資料

石井 僚一