3. 【ひとり世帯・夫婦別】6月からの年金受給額はいくらか
2023年度の年金額をご紹介しましたが、世帯別に6月からの年金受給額をみてみましょう。
3.1 【ひとり世帯】6月からの年金受給額
- 国民年金(67歳以下・満額):6万6250円
- 国民年金(68歳以上・満額):6万6050円
- 厚生年金:15万8232円
3.2 【夫婦世帯】6月からの年金受給額
- 国民年金(67歳以下・満額):13万2500円
- 国民年金(68歳以上・満額):13万2100円
- 厚生年金:22万4482円
上記を見て分かる通り、年金の種類によって、また世帯によって受給額には差があります。
ただ上記は一例となり、実際には年金の加入状況により、非常に個人差が大きいのが年金です。
たとえば国民年金は満額となっていますが、加入月数によってはそれより低くなる方も多いでしょう。
また、厚生年金は加入期間だけでなく収入に応じて将来の受給額が決まるため、より個人差が大きくなっています。
4. 厚生年金「月額14万円台」が平均もその個人差とは
年金受給額にどれだけ個人差があるのか、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、国民年金と厚生年金の平均月額を確認しましょう。
4.1 国民(基礎)年金の平均年金月額(令和3年度)
全体:5万6368円
- 男性:5万9013円
- 女性:5万4346円
4.2 厚生年金の平均年金月額(令和3年度)
全体:14万3965円
- 男性:16万3380円
- 女性:10万4686円
※国民年金部分を含む
国民年金は男女であまり差が見られませんが、厚生年金は約6万円の差が見られます。
これは女性の方が賃金が低かったり、育児や介護で働き方をセーブする方が多いからでしょう。
上記を見てもわかる通り、「月額1万円未満~30万円以上」まで、厚生年金の受給額は個人差が大きくなっています。
5. 【老齢年金】個人差が大きいからこそ早くから対策を
2023年度の年金額は増額となりましたが、一方で年金受給額は個人差が大きいこともわかりました。
現役時代はなかなか老後の意識まで行かないかもしれませんが、加入する年金の種類や期間、また厚生年金は収入に応じて将来の受給額が変わるため、早めにご自身の年金については考えておきたいところです。
年金受給額が少ない場合でも、貯蓄や私的年金、資産運用で備えることで、老後対策は可能です。
また、長く働き続けることで貯蓄が目減りするのを遅らせたり、逆に貯蓄を増やすことも可能だったりするでしょう。
人生100年時代といわれる現代ですから、ご自身に合った老後資金対策をしていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金額が前年度からプラス2.2%、またはプラス1.9%で改定された年金額となっていませんが、なぜですか。」
宮野 茉莉子